ファイナンシャルプランナー横山光昭さんからアドバイス
▼同じ財布と言っていますが、グレー部分が大きい。そこもオープンに!

同じ財布と言いながらも、五十嵐さんの家計は“ブラックボックス”なっている部分が多いのが問題。まずは残業代、ボーナスともに夫婦で情報をオープンにし、貯蓄額を増やすのが先決です。

イラスト=ミーシャグラフィカ

DINKs家計の場合、貯蓄目標額は「手取り月収の4分の1」がひとつの目安です。世帯の手取り月収が47万円ですから、月々11万7500円程度は貯蓄に回したいところです。また、住宅購入を考えるならボーナスの8割は貯蓄に回しましょう。合計すると、年間269万円は貯められる計算になります。

住宅ローンを組むうえで気をつけたいのは、やはり頭金をしっかり確保すること。40歳を過ぎてから住宅ローンを組む場合はとくに無理は禁物。「頭金を多く」「返済期間は短めに」が鉄則です。

五十嵐さんの場合、定年までに返し終えることを念頭に置いて、まずは向こう5年間で、しっかり頭金を貯め、45歳になったタイミングで15年ローンを組むのが現実的な策だと言えそうです。

「生活レベルを下げたくない」とのことですが、むしろ手取り収入を考えると、分不相応なレベルに上げすぎてしまっている懸念もあります。例えば1泊10万円の宿泊費は、貯蓄額を考えると身の丈に合った支出額とは言えません。“当たり前”なってしまっている支出の内容をひとつひとつ見直していくのも大切なステップ。余計な出費は極力減らし、全体に家計をコンパクトにすることも、老後の備えとして役立ちます。

▼横山さんからのアドバイス「3つのポイント」
小遣い:ルールと額を見直し、支出の精査を
住宅:頭金を多く、ローン返済期間を短く
貯蓄:DINKsなら月収の4分の1を貯蓄へ

イラスト=ミーシャグラフィカ