<勉強法2:100問通して解く>

▼リスニングorリーディングを100問解きまくる

浜崎さんいわく、「900点を目指す者にとって、本番の試験はマラソンのようなもの」。一体どういう意味なのか。

「全体の時間に対し、どのセクションを何分で解くか、あらかじめ解答のペース配分を想定しておく必要がありますが、本番、ずっと全力で解き続けることはまずない。必ず予定が狂うんです」(浜崎さん)その際、ペース配分を自分自身でうまく調整できないと、ケアレスミスを招いてしまう。そこで普段から取り組んでおきたいのが、リスニングかリーディングのどちらかを選び、毎日、100問を試験と同じ時間を使って演習するトレーニングだ。本番と同じように集中力の上げ下げを意識しながら解き、その日のうちに復習する。ただし100問を演習・復習するためには、1日2~3時間は必要。通勤、昼休み、自宅での時間などをうまく使って取り組みたい。

『TOEIC(R)テスト 公式問題集 新形式問題対応編』(国際ビジネスコミュニケーション協会)、『TOEIC(R)テスト 非公式問題集 至高の400問』ヒロ前田/テッド寺倉/ロス・タロック(アルク)
<勉強法3:会話やトークを暗唱レベルに>

▼有名人のスピーチをまねすれば英語ができる気分に!

『TOEIC(R)テスト 新形式だけ でる200問』浜崎潤之輔、大里秀介著(アスク)

ほぼ完璧の答えを求められるリスニング。レベルを上げたい人に、大里さんは、「パート3、4の会話やナレーションを暗唱できるようになるまで繰り返し音読する」というアドバイスを送る。

「完璧に話せるまでひとつの題材を徹底的に聞きこむと、会話やトークの流れが頭に入って、ストーリーを理解しやすくなるんです。英語で考える回路が一通り身につくので、スコアにもいい影響を与えます」心がけたいのは、量をこなすのではなく、1つか2つのテーマに集中して、質を優先させること。TOEICの問題に限らず、政治家や有名人のスピーチを採用してもいい。流ちょうに語っていると、自分は英語ができるという自信が湧いてきて、試験にのまれることが少なくなる。最終的に話す訓練にもなるので、ビジネスシーンで役立つのもメリットだ。

<勉強法4:英英辞典を活用する>

▼面倒な孫引きも語彙強化につながる

『ロングマン現代英英辞典』(桐原書店)

900点以上を目指す人であれば持っていてほしいアイテムのひとつとして、大里さんは英英辞典を挙げた。

「ある単語と同じ意味の単語は何か、選択肢の中から選ぶ『語句の言い換え』問題があります。これを英語から日本語に訳して考えると、英語がもつ意味の広がりを見落として、適切な言い換えに気づかないことも。そこで言い換えの単語を探したり、意味があやふやな単語を調べる際、英英辞典を使って英語の感覚だけで理解してみましょう。こんな意味もあったんだという発見があって、英語のセンスがさらに磨かれます」またよくわからない英語表現が出てきたときは、辞書を引くだけでなく、ウェブで画像検索するのも効果的。ビジュアル化されて、イメージが頭に残りやすい。

水野聖二、工藤朋子=撮影