転職して年収が上がるとはかぎりませんが、チャンスがあるのに見逃している人も!? ここでは、収入アップにつながる転職について、転職コンサルタントや転職成功者にインタビューしてきました!
ケース2:予想より上をいく給与額で、うれしい誤算
●神田真理さん(仮名)場合
職種:医薬品の開発支援に関わるクリニカル・リサーチ・アソシエイト
転職のきっかけ:同業種の知人が、年収アップできる会社を紹介してくれたため。
成功の秘策:目標!
神田真理さん(仮名)は3年前、33歳のときに医療機器メーカーからIT機器メーカーに転職した。職種は同じ営業だが、前職が顧客のところを回る外勤だったのに対し、現職は内勤。営業部門とファンクション部門をつなぐ役割を担っている。
「いわゆる営業企画に近いかも。約20人のチーム全体をコントロールするのも私の仕事です」
実質的には管理職のようなものだが、組織がフラットなので役職についたわけではない。それでも転職によって年収は200万円アップした。
「私のなかでは“自己成長”ということが大きなウエイトを占めているんです」と神田さんは言う。
「前の会社では、仕事に慣れすぎて“こうすればこうなる”という法則のようなものができてしまいました。“伸びしろ”を考えると、このままでは成長できない。もっと自分を大きく伸ばすには、環境を変えたほうがいいと思うようになりました」
金銭欲はそれほど強くないが、成長したいという気持ちが人一倍強い。
「自分が成長すればお金はあとからついてくるものだと思っています」
転職サイトに登録して2カ月後、現在の会社から声がかかる。最終面接で希望の給与額を聞かれ、神田さんは当時の年収にプラスアルファした金額を答えた。ところが入社してみると、その額にインセンティブが上乗せされていたのである。
「私はインセンティブ込みの希望額を言ったつもりでしたが、先方はインセンティブ抜きの金額だと思ったんですね(笑)」
うれしい誤算だったが、“もらいすぎだな”と思ったこともある。
「同じ年齢でこの額をもらっている女性は、そうそういないと思うので。でも、そんなふうに卑下するよりは、もっと自分が成長して、その金額に見合うだけの貢献をすればいいと考えるようにしています」
今の会社も前の会社も外資系企業だった。外資系では数字(結果)がすべてなのだという。
「日本の会社なら“彼女は頑張っているから”というように努力や根性も評価してもらえるけれど、外資はそのへんがドライで、上司も手取り足取り指導してはくれません。そんな環境にいるうちに、数字は自分の工夫で上げるものだと考えるようになりました」と神田さんは自己分析する。
そんな神田さんなら、現在の自分の年収を不満に思っている人に対して、どんなアドバイスをするだろうか。
「たとえば業界によっても平均年収は違いますよね。もし自分の目指すお給料の水準が他業界にあるとしたら、そこに移るためには何が必要か調べてみては? 自分に足りないものは何で、自分の何が活かせるかを棚卸しするといいかも。そのうえで勉強するとか、自分を磨くとか、戦略を立てて行動するといいと思いますよ」
冨田寿一郎=撮影 エン・ジャパン=取材協力