以来、「つらいことがあっても、またいつかホテルで『おひとり朝食』できると思うと、頑張れます」とB子さん。

ホテル椿山荘東京・マーケティング課の眞田あゆみ氏も、「最近、『泊まらなくても朝食を取れますか?』とお越しの30~40歳代の女性を目にします」とのこと。B子さん同様、朝のわずかな時間に癒やされ、英気を養おうとするのだろう。

イラスト=Yooco Tanimoto

国内最高峰ホテルの一つとされるザ・リッツ・カールトン大阪の1階レストラン(イタリアン)も、宿泊せず朝食をとるためにだけ立ち寄る女性ファンが少なくない。

「おひとりで朝食をとる女性には、窓際の朝日の差し込むお席が人気です」と、広報担当の津田みな美氏。キャリアウーマンらしき30~50歳代女性のリピーターが目立ち、多くはお気に入りのメニューを“短時間で”味わうという。

そう、現代の働く女性にとって、時間は貴重。宿泊や夜の食事は無理でも、朝食だけならちょっとした隙間時間に楽しめる。つかの間とはいえ、そこで優雅な食やサービスに接し、「頑張ろう」とポジティブな自分になれるのだろう。

欧米では、いま「サードプレイス」という言葉が話題だ。家とも職場とも違う「第三の居場所」の意味で、そこがあってこそ人は前向きになり、仕事も私生活も充実する、という考え方である。

仕事に家事に育児に、と忙しい女性だからこそ、1カ月に1度、年に数回でも、「おひとり旅」や「おひとり朝食」を味わうことで、きっと元気になれる。そこに、ビジネスチャンスもあるのだ。

Yooco Tanimoto=イラスト