Q5. 介護と仕事の両立、職場にはどう伝える?
A できるだけのことはしたうえで、明確に伝えるべし
カウンセリングテクニックに“アサーション”というものがあります。人って権利を強く主張するか、我慢するかのどちらかに陥りがちです。そうではなく、その間を取ろうというのが“アサーション”です。つまり「私が介護のため早く帰ることで、これくらい仕事が遅れます。そこは精いっぱいフォローします」と、自分ができる限りのことをしたうえで、相手に明確に伝えることが大切です。
すべては愛! 「職場の皆さんを愛しています。親も愛しています」と自信を持って伝えましょう。それでも理解してもらえないなら、幸福の第3因子である楽観的視点に立ち、「嫌われてもいい、仕事を辞めてもなんとかなる」くらいの気持ちでいることですね。仕事はどこにでもあるけれど、親は唯一無二の存在。辞める覚悟があるとものすごく強い。人目を気にせず正論が言え毎日ハッピーです。
産婦人科医、医学博士、性科学者。大阪大学医学部卒業後、同大学産婦人科に入局。周産期医療を中心に産婦人科医療に携わる。2007年、川崎医科大学講師に就任。ロンドンに留学し胎児超音波を学ぶ。12年に第1子、15年に第2子を出産。
慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント 研究科委員長・教授。東京工業大学卒業、同大学修士課程修了。キヤノン株式会社、カリフォルニア大学バークレー校訪問研究員、ハーバード大学訪問教授等を経て現職に。専門は人間システムデザイン、地域活性化、教育工学、幸福学など。
富岡麻美=構成 菅原康太=撮影