鏡を見ながら自己催眠をかける

次にノンバーバル、目で見る(視覚)ことで自己催眠をかけていく方法です。

ここで使うのが鏡です。先ほどの「私は○○になる」などの言葉を、鏡を見ながら言います。

鏡の中の自分に「自己催眠をかける」(イラスト=米山夏子)

特に、自分の目を見ながら言うと効果的です。これは心理学でいうアファメーション(自己宣言)という方法で、スポーツ選手などが取り入れているメンタルトレーニングの一種です。朝、歯を磨くときや化粧をするとき、さらに、お手洗いに行くときなど、鏡を見る機会は一日に何回もあります。そのときに言ってみる。外出先では心の中で構いませんが、声に出したほうが聴覚からも言葉が入り効果があがります。自宅では声に出してみてください。

視覚のアファメーションという意味ではもう一つ、なりたい自分の服装を先取りしてしまう方法もあります。

「将来管理職になったら、こういう格好をするだろう」という服装を今からしておくのです。これによって、鏡の中に将来の自分の姿を見ることができます。その自分に向かって、「私は管理職になった」と言ってみる。鏡の中に将来のなりたい自分を映し出すわけです。「鏡よ鏡よ鏡さん」と言っていた白雪姫の魔女のように、鏡の魔法でなりたい自分を手に入れましょう!

持ち物で先取りするなら、小物。筆記用具や手帳、名刺入れ、時計など、3年後、5年後ぐらいの自分にジャストフィットするものを買ってください。

たとえば憧れの上司がいるのなら、その人が使っているものと同じものを買ってみる。同じブランドの少し下のランクにするのでも構いません。洋服と同様、現在の自分には背伸びした小物でも、大切に使ううちに、それにふさわしい自分にだんだんなっていくものです。今の自分にジャストフィットするランクのものを買っても成長はしません。すこし背伸びをして、いつの間にかピッタリになる。そうしたらまたその次を買う。その背伸び感覚を楽しんでほしいのです。