仕事、家庭生活、お金、親子関係……、さまざまなお悩みに、100冊以上の著作を誇る作家の本田健さんと、PRESIDENT WOMAN Onlineの連載「WOMAN千夜一夜物語」でおなじみのコラムニスト河崎環さんが回答する人生相談、連載第20回は「夫の実家への仕送り」についてのご相談です。
夫が実家に仕送りをしたいと言い出しました。義父母は浪費家で、仕送りをしても遊興費に消えるだけだと思われます。そもそも仕送りを考えられるような余裕が我が家にあるのは、共稼ぎで、さらに私がシビアに家計管理を行っているからですが、夫はその点に全く思い至っていません。私の両親は、身の丈に応じた質素な生活をしています。その姿を見る度に、夫に対するいら立ちが増します。どうすればいいでしょうか。
親孝行の気持ちを受け容れるところからスタート
ぜひ、夫婦で話し合いをしてください。義理の両親に対して、あなたが感じていることを旦那さんに伝えてください。あなたの旦那さんは無神経なのではなく、無自覚なのです。ただ、彼らは間違っているという感じでは責めないでください。
仕送りをしてあげたいという彼の親孝行の気持ちをいったん受け止めてあげましょう。頭ごなしに、「どうせ仕送りしてもムダよ」と言われると、男性としてのプライドが傷つきます。彼がいかに両親のことを考えているかを認めてあげた上で、「その優しいところがすてきよ」ぐらい、リップサービスでもいいので(笑)言ってあげましょう。男性はそれで、聞く耳を持ってくれます。
それから、送金しても、両親が遊興費に使ってしまうのではないかとあなたが感じていること、うちの家計もそこまで余裕がないことなどを旦那さんに理解してもらいましょう。あなたが気をつけているので、なんとかなっているという事実をあなたの旦那さんは理解していない可能性があります。
こういう問題は、下手をすると、夫婦間の亀裂を生む結果につながってしまうことがあります。なぜなら、それぞれの家庭には、憲法のようなものがあって、それは外部がとやかく言うことではないからです。そして、両家の価値観の対立があなた方夫婦を裂こうとするでしょう。
自分の両親は偉いけど、あなたの両親はというトーンはタブーです。そうではなく、おふたりがどういう家計の状態でいたいのかということを話し合って、どうしたいのか結論を出しましょう。
夫婦で合意が取れないと、あなたの未来も明るいものにはならないでしょう。違う国の王子とお姫様が結婚して、新しい国を作ったのです。新しい国の憲法は、意識して二人でつくりましょう。
作家。神戸生まれ。経営コンサルタント、投資家を経て、29歳で育児セミリタイヤ生活に入る。4年の育児生活中に作家になるビジョンを得て、執筆活動をスタートする。「お金と幸せ」をテーマにした1000人規模の講演会、セミナーを全国で開催。インターネットラジオ「本田健の人生相談~Dear Ken~」は2200万ダウンロードを記録。
代表作『ユダヤ人大富豪の教え』(大和書房刊)など、これまでに著書は100冊以上、累計発行部数は680万部を突破。
【本田 健 公式サイト】http://www.aiueoffice.com/