NICHIGETSUDO(青山)
●希少な紙文化に触れる
表参道駅から徒歩7分。根津美術館の目の前にレトロ気分にひたれる古書店がある。洋モノなら、有名デザイナーの自費出版本や1900年代に発行された海外の時刻表、和モノなら、戦前の舞子さんの名刺見本帳なんてものもある。特にすてきだったのが和菓子のフルカラー見本帳で、木版刷りの色がとにかく美しい。古書だけでなく、紙文化の歴史に触れられるのも魅力だ。価値がわかりづらいものは、学芸員顔負けの知識を持つ佐藤店長が丁寧に教えてくれる。
MORIOKA SHOTEN(銀座)
●「一冊の本」だけを売る店
2015年春、銀座のはずれに一冊の本だけを売る店が誕生した。1929年竣工という歴史を感じさせるレトロビル。その一角にある、ガラス張りのショーケースのような空間が「森岡書店銀座店」だ。店内では、美術家や写真家などの作品を期間限定で展示販売。それらの作品が収められた一冊の本を購入することができる。在廊している作家さんと直接話せるのがこの店の魅力だ。今後は写真集のほかに画集や詩集、小説なども展示販売される予定だ。
BOOK TRUCK(移動販売)
●水色のトラックで移動販売
イベントなどに出没する謎の移動式本屋。「普段本を読まない人が、読みたい本と出会う場所をつくりたい」との思いから、元書店店長の三田修平さん(写真右下)がたった一人で事業を始め、運営している。「出店場所によって品ぞろえを変える」のが特徴で、現在は目黒のEASE CREATOR’S MARKETや、赤坂蚤の市などに不定期出店。気になる人は、facebookをのぞいてみよう。もしかしたら、あなたの街にも水色のトラックがやってくるかもしれない。
各店の営業時間、定休日などはウェブサイトか電話でご確認ください。「COOK COOP BOOK」は2015年夏、移転予定です。
東京在住の会社員。自身のウェブサイトで全国各地の書店を紹介する「本屋探訪記」を連載。これまでにリポートした書店は100店を超える。将来の夢は自分で書店を開くこと。http://bookshop-lover.com/
撮影=山田 薫