キャリア設計には英語が不可欠! で留学を決心
1年をかけて勝ち取った4週間留学

英語ができれば、尊敬する日本人の先人たちに近づくことができ、その先には世界が広がっている。「将来、私が行きたい世界に英語は不可欠だと確信しました」

同じ頃、継続して英語の勉強をしていたパ-トナーのTOEICスコアが700点台から880点まで上がった。さらに、社内に英語留学システムを取り入れた企業の人事部長とも知り合った。

【写真上】山本さんが帰国後も継続して学習を続けているのが、本連載第2回でも紹介した全文反復学習法「カランメソッド」。【写真下】肉・魚から野菜サラダまで、食事メニューはバリエーション豊富。フィリピン特産のマンゴーが出る日も!

「まるで導かれるように、自然に機が熟しました」。そこで山本さんは、会社を辞めるのではなく、習得した英語を使って現在の人材開発業務に役立てるために、上司を前述した人事部長と引き合わせるなど、根回しを含めて約1年がかりで準備したそうだ。「会社の有給休暇の限界に挑戦です(笑)」

積み立てた休暇をフルに使い、仕事の調整をつけ、半年前から予定表を提出。最終的に、留学費用は自己負担で、会社には成果をリポートするという条件で、会社に在籍しながら4週間の留学が実現。「英語ができないことのコンプレックスを自分で払拭することが難しく、英語を学ぼうとしてもネガティブな気持ちになるばかり。マインドの転換は自力だけでは難しいと判断しました。逆にここさえ越えられれば英語学習にも慣れ、独学でも成長できるはず」と、まずは留学後のTOEICで600点以上という目標を設定した。

英語学習に積極的なパートナーは、基本的には山本さんを応援してくれたものの、4週間という長期不在にはさすがに不満をもらしたそうだ。「フィリピンと日本には時差が1時間しかないので、毎日スカイプで連絡を取り合いました。交渉時の最後には『今行かせてくれるのと、行かせてくれなかったと一生言われ続けるのと、どっちがいい?』と、たたみかけました(笑)」