私は10代は純文学、20~30代はビジネス書ばかり読んでいました。起業するまではビジネス書がとても役立ちましたが、いまは自分のスタイルを確立する時期だと思っているのでビジネス書を読むとかえって迷いの原因になります。
いま、よく読むのは歴史の本ですね。100年続く組織をどうつくるのかと考えると、参考になるのは国しかない。ローマ帝国の盛衰や中国唐代の『貞観政要』は本当に奥が深いです。
SFもよく読みました。弊社のオフィスの入り口には「エンジニア・ア・ベター・フューチャー」という言葉が書かれています。これは私が好きなSF三大作家の一人、ロバート・A・ハインラインの言葉で、「機械はベストをつくりだすが、人間はつねに改善を重ねて未来をよりよくしていく」という意味が込められています。ロボットが台頭する新しい時代になると、この言葉の持つ意味がますます重要になってくると思っています。
●好きな書店
青山ブックセンター
●好きな読書の場所
ファイアーキングカフェ(代々木上原)
●好きな作家
寺山修司
1974年兵庫県生まれ。東京学芸大学卒業。パイオニア、リード エグジビションジャパンなどを経て、ドリコム執行役員として東証マザーズに上場後、独立。2011年クラウドワークスを創業、代表取締役社長兼CEOを務める。
構成=村上 敬 撮影=徳永 彩