スーパーリッチに近づいている人がやっていること
スーパープアになりそうな人が“現時点で貯蓄習慣がなく、将来的にも貯蓄できる見通しが立たない人”だとすると、スーパーリッチになれるのは、その真逆の人ということになります。家計再生コンサルタント・FPの横山さんによると、驚いたことに30代ですでに3000万~5000万円ほどの資産を持つスーパーリッチ予備軍は、決して少なくないそう。
「スーパーリッチ予備軍の人は、パッと見はごく普通。でも、話すと将来設計がしっかりして、目的意識を持ちながら資産形成していることがわかります。共通点は、家計管理ができていること、節約家なこと。そして預貯金以外の金融商品で運用している点です」
たしかに、預貯金だけだと頑張って毎年100万円ためても、40歳までに築ける資産は2000万円にも満たないでしょう。そう考えると、やはりごく普通の収入の人がスーパーリッチを目指すには、運用が不可欠のようです。
「よく『運用は元本割れリスクがあるからイヤ』という人がいますが、預貯金だってインフレになれば価値は目減りするので、ノーリスクではないんです。本当に安全を考えるなら、国内外の株や債券など、さまざまな資産にお金を分散するのがベター。ひと口に投資といっても、リスクを抑えながら運用する方法もあるので、それを勉強して挑戦すれば、資産を守りつつ効率的に増やせます」
紹介した2ケースを見ても、たしかに資産がある人は複数の金融商品に投資しています。「難しそう」とひるまずに勉強する向上心が、スーパーリッチになるために不可欠の要素といえそう。
×リスクをとらない→インフレで、いつの間にか資産が目減りすることも
×リスクをとる→勉強せず、リスクをとりすぎてしまう
○リスクをとる→正しくリスクを理解し、うまく付き合う
「金融商品によっては元本割れリスクがあるものとないものがあります。預貯金には元本割れリスクはありませんが、インフレになると価値が目減りします」。一方、投資信託や株式などはリスクの分収益性は高め。「ただ、収益性だけに注目し、勉強せずハイリスク商品を買うと損します。事前にどんなリスクがあるか理解して投資する。それがリスク性商品との正しい付き合い方です」
【まとめ】お金持ちは投資の勉強を怠らない
株式会社マイエフピー代表取締役社長。独自の家計再生プログラムを提唱し、実際に何千もの問題家計を再生してきた家計管理のプロ。近著は『NHK「あさイチ」お金が貯まる財布のひみつ:不安がなくなる貯金の極意』(新潮社)。
撮影=菅井淳子 イラスト=中根ゆたか