まだ老後まではかなり間がある30~40代でも、すでに将来スーパーリッチ一歩手前まで近づいている人も!? 実例を挙げて、スーパーリッチの特徴を検証しましょう。(アドバイスしてくれる人:家計再生コンサルタント・FP 横山光昭さん)

CASE2:不動産投資勝ち組型リッチ

●会社員(正社員)スーパーリッチ目前! D子さん(39歳)
【家族構成】独身・母と2人暮らし【住居形態】持ち家(ローン7万円)【年収(手取り)】350万円【月収(手取り)】23万円【ボーナス(年間合計)】70万円【毎月の貯蓄額】8万円【年間の貯蓄額】140万円【資産総額】約4000万円(内訳:普通預金200万円/定期預金250万円/不動産(店舗付き一戸建て)2000万円相当/金・プラチナ200万円/自社株150万円/社債100万円/その他1100万円)

※保険は将来の満期金。投資信託、自社株、不動産等は時価。

●30代で不動産を2つ所有家賃収入で悠々貯蓄できる!

イラスト=中根ゆたか

普通の会社員ながら、不動産などさまざまな投資を手がけるD子さん。本業の手取りは月額23万円だが、所有する不動産の賃料収入が毎月6万円入る(賃料15万円に対しローンが9万円なので差額の6万円が収入)。資産が4000万円以上だが、負債も2000万円以上。しかし、家賃収入から順調にローンを返済できており、効率的に資産を増やせている。母親と2人暮らしで、老後の面倒もみる予定。


【GOOD POINT1】さらに上を目指して勉強を継続している
すでに自宅と投資用物件で合計2件の不動産を所有するD子さんだが、ローンの返済がある程度進んだところで、さらにもう1件不動産投資し、不労所得を増やすことが目標。最近は海外の不動産にも興味があり、わからないところだらけながら、勉強する日々を送る。
▼アドバイス
「現状で簡単に満足せず、勉強し続ける姿勢こそがスーパーリッチになるための条件です」


【GOOD POINT2】“他人”や“国”に頼ろうという気持ちがない
バツイチのD子さんには結婚して誰かに助けてもらおうという気持ちがなく、将来は国にも頼れないという思いも強い。「自分とお母さんの老後のためにも、自力で資産形成をしようという決意が固いです。こういうモチベーションの高い人ほどためる力があります」
▼アドバイス
「貯蓄をするには強い意志が必要。何のためにためたいのか、あらためて考えてみるのも手」


【GOOD POINT3】専門家の助言を求めながら行動を起こしている
D子さんが所有するのは、都内の繁華街にある物件。「買う前に不動産の専門家に相談し、現場にも同行してもらって入念にチェックしたうえで買ったそう。投資用不動産を素人が自己判断で買うのは難しいので、コストをかけてでも専門家に頼ったのは正解でしょう」
▼アドバイス
「不動産投資をするなら、不動産会社の人ではなく中立的な立場の人に相談するのがベターです」

スーパーリッチに近づいている人がやっていること

スーパープアになりそうな人が“現時点で貯蓄習慣がなく、将来的にも貯蓄できる見通しが立たない人”だとすると、スーパーリッチになれるのは、その真逆の人ということになります。家計再生コンサルタント・FPの横山さんによると、驚いたことに30代ですでに3000万~5000万円ほどの資産を持つスーパーリッチ予備軍は、決して少なくないそう。

「スーパーリッチ予備軍の人は、パッと見はごく普通。でも、話すと将来設計がしっかりして、目的意識を持ちながら資産形成していることがわかります。共通点は、家計管理ができていること、節約家なこと。そして預貯金以外の金融商品で運用している点です」

イラスト=中根ゆたか

たしかに、預貯金だけだと頑張って毎年100万円ためても、40歳までに築ける資産は2000万円にも満たないでしょう。そう考えると、やはりごく普通の収入の人がスーパーリッチを目指すには、運用が不可欠のようです。

「よく『運用は元本割れリスクがあるからイヤ』という人がいますが、預貯金だってインフレになれば価値は目減りするので、ノーリスクではないんです。本当に安全を考えるなら、国内外の株や債券など、さまざまな資産にお金を分散するのがベター。ひと口に投資といっても、リスクを抑えながら運用する方法もあるので、それを勉強して挑戦すれば、資産を守りつつ効率的に増やせます」

紹介した2ケースを見ても、たしかに資産がある人は複数の金融商品に投資しています。「難しそう」とひるまずに勉強する向上心が、スーパーリッチになるために不可欠の要素といえそう。

■何もしないのもリスキー!

×リスクをとらない→インフレで、いつの間にか資産が目減りすることも
×リスクをとる→勉強せず、リスクをとりすぎてしまう
リスクをとる→正しくリスクを理解し、うまく付き合う

「金融商品によっては元本割れリスクがあるものとないものがあります。預貯金には元本割れリスクはありませんが、インフレになると価値が目減りします」。一方、投資信託や株式などはリスクの分収益性は高め。「ただ、収益性だけに注目し、勉強せずハイリスク商品を買うと損します。事前にどんなリスクがあるか理解して投資する。それがリスク性商品との正しい付き合い方です」

【まとめ】お金持ちは投資の勉強を怠らない

家計再生コンサルタント・FP 横山光昭(よこやま・みつあき)

株式会社マイエフピー代表取締役社長。独自の家計再生プログラムを提唱し、実際に何千もの問題家計を再生してきた家計管理のプロ。近著は『NHK「あさイチ」お金が貯まる財布のひみつ:不安がなくなる貯金の極意』(新潮社)。