相手が言いたいことを、本当に理解できているのか不安。先入観無しで人の話を聞くことは難しいけれど、どこかに突破口はあるはず。

相手にのり移るぐらい深~く心に入り込む

茶色いキャリーケースをゴロゴロと引きながら、5センチヒールで早歩き。

「余裕で走れますよ!」と客先へ急ぐ勝倉朋代さんは、過去4回、社内全国トップに輝いたことがある“生涯設計デザイナー”。同僚や先輩後輩などを紹介されることも多く、スケジュール帳はびっしり。1日平均4、5件のアポイントをこなし、昼食時の訪問では、食事時間を削っては申し訳ないからと、相手のお弁当を持参する。

【写真上】第一生命保険 勝倉朋代さん【写真下】説明書と手土産の詰まったキャリーケースを引き、軽さが味方のゲラルディーニのバッグを肩に、「行ってきます!」。伏見稲荷のお守りも必携。

「私の仕事は、とにかくお客さまの話を聞くこと。保険のご説明に行ってるのを、忘れちゃうぐらいです」

人は、自分に必要なものを必ずしも自覚しているわけではない。それを探るには、どんな話でも腰を折らずに、徹底的に相手の立場になって聞く。悩みを全部引き受けるほど心のなかに入り込んで、話を聞くこともままある。

「すぐに保険にご加入いただくかどうかは全然問題ではないんです。必要だと思ったら、声をかけてくれればいいんです」

明るい話から暗い話まで。いつも話しやすい人間でいようと心がけている。

「お客さまのプロポーズの言葉を、一緒に考えたこともありますよ」

昨年は、会社を代表する営業のプロフェッショナルとして表彰。何よりうれしかったのは、話を聞いた顧客からの、お祝いのメールだったという。


 ■好きなことば 
「想いの強さと同じだけ行動できたら、きっと願いはかなう!」

 ■リラックスするとき 
読書。池井戸潤は読破。歴史小説やミステリーもよく読む。ヨガ。

 ■朝ごはん 
デスクで仕事をしながら、持参したおにぎりやサンドイッチ。

 ■好きなくつ 
黒い靴を常時5足ぐらいで回す。ブランドは「Riz」など。


第一生命保険 勝倉朋代
首都圏営業本部コンサルティング営業室東京第一プロジェクトチーム第6オフィス。首都圏担当部長付。官公庁や企業への保険販売、契約者のフォロー。チーフエグゼクティブアドバイザー。41歳。

撮影=邑口京一郎