POINT2:婦人科検診は、最低2年に1回。内診だけでなく超音波検査も

「女性向けのメニューが入っているから安心」というものではありません。中身もしっかり見てみましょう。企業によっては、婦人科検診をオプションで付けられるところがありますが、内診だけのことが多いようです。もし内診だけならば、超音波の検査もあわせて受けることをお勧めします。

診察台で、見られたくない場所を見せ、腟内に器具や指を入れられる……。内診は気分のいいものではありません。内診について細かく説明する医師は少ないですし、検査を受ける方も質問したりはしませんから、いったい何の検査をされているのか、知らない人が大半だと思います。内診の流れを簡単に説明しましょう。

診察台ではまず、外陰部の皮膚の状態を見ます。できものはできていないか、赤くなっていたり、腫れたりしていないかを確認します。次に、クスコ(腟鏡)という器具を使った「クスコ診」をします。クスコを腟内部に入れ、腟の壁面や子宮の入り口を見て、ポリープなどがないかを確認します。さらにクスコを入れたままで、子宮の入り口から細胞を少しこすりとります。この細胞を、子宮頸がんの検査に回します。

その後、クスコを抜いて「双合診(そうごうしん)」という触診をします。片方の指を腟に入れ、もう片方の手はおなかを触って、両手でおなかを挟むようにしての状態を見ることで、卵巣や子宮が大きくなっていないか、筋腫などがないかを診ます。しかしこれは、あくまでも医師が触った感触で判断するもの。筋腫や腫瘍が正常の倍くらいに腫大していないと指摘できないケースもあります。しかも体型がふくよかだと、おなかが皮下脂肪などで分厚いために、触ってもほぼ何も分かりません。また、緊張しておなかに力が入り過ぎていると診断ができまず、「所見がとれない」という状態になります。これらの「所見がとれない」場合でも、検査結果にはそうは書かれず「異常なし」と書かれることがほとんどです。

一方、超音波による検査だと、卵巣や子宮の大きさや形、筋腫や腫瘍の可能性のあるものが画像で見えます。数ミリの筋腫でも分かりますし、記録が残せます。内診は、診察した医師1人の主観的判断に頼りますが、超音波であれば画像を複数の医師が診て客観的に判断することもできます。

こうした理由から、婦人科検診においては、ぜひ内診だけでなく、超音波の検査を行ってほしいのです。まったく何も問題が見つからなかった人に、翌年突然、かなり進行した腫瘍が見つかることは少ないので、最低2年に1回検査をするとよいでしょう。毎年行えばさらに安心です。超音波の検査は、自費で追加する場合はだいたい1回5000円程度です。検査項目の追加については事前に、会社の健康診断の担当部署や、健康診断を行う医療機関に問い合わせておくといいですね。