今回の調査で、「生まれ変わっても今の夫がいい?」の質問に、「YES」と答えた女性は、半数以下の43%。彼女たち「円満妻」でさえ、半数以上は「夫の家事にガッカリ」と回答。「NO(別の夫がいい)」の「不仲妻」ではさらに多く、ガッカリが76%に達する。
育児も似た傾向だ。「夫の育児にガッカリ」は円満妻でも51%。不仲妻では3割増しの8割弱にものぼる。
妻の期待値が高すぎるのか。あるいは夫に対する愛情が弱いから不満が強いのか。さらにデータからはもう1つ、不仲妻たちの「結婚前チェック」の甘さも透けて見える。
たとえば、「結婚相手選びで重視したこと」。円満妻の多くは、相手の家事・育児力や金銭感覚に注目するなど、「未来(結婚後)」の生活に目を光らせていた。対する離婚妻や不仲妻は、学歴や年収、大企業の正社員かどうかなど、「今(結婚前)」の条件ばかり重視する傾向にあったのだ。相手の年収は「自分より低くてもいい」も、円満妻では4割近いが、不仲妻では24%と4人に1人未満。
岡野さんはこれに苦言を呈する。
「未婚女性は、『そんなにぜいたくは言っていない』つもり。でも女性自身がそこそこ高学歴、高収入を手に入れた今、“自分よりちょっと上”を求めても、未婚男性にはハードルが高い」
相手に求める年収を見ても、「理想は600万円以上」が約6割で最多、「妥協しても400万円以上」が8割以上と大多数だ。
2013年国税庁「民間給与実態統計調査」で、現在、フルタイムで働く男性の年収の“分布”を見ると、最多層は「年収300万円台」。相手候補の“今”だけを見て、「学歴も年収も」とぜいたくな条件に固執すると、理想の夫はなかなか見つからない。
撮影=川口 匠