働く既婚女性の6割が夫にNOを突きつけている事実。しかも、結婚年数がたてばたつほどNOの率は高くなるという非常に残念な結果に。働き続けたい女性が理想の結婚生活を手に入れるためには何ができるのでしょうか。

働く女性の本音を調査

調査概要:楽天リサーチの協力を得て、インターネットで調査を実施。調査期間は2014年8月27日~29日。調査対象は全国の20代後半~40代の働く女性1000人。

Q.生まれ変わっても今の夫がいい?

●結婚相手選びで重視したことは?

「YES」を選んだ人:年収や学歴はあまり考慮せず、金銭感覚を重視/家事力もそこそこ重視/相手の年収は「自分よりも低くていい」

「NO」を選んだ人:大企業の正社員かを重視/学歴を重視

「離婚した」を選んだ人:年収と貯蓄額を重視

●夫にガッカリしたことは?

「YES」を選んだ人
1位:毎日帰りが遅い……17.4%/2位:家事をやらない……14.6%/3位:義父母との関係……11.8%/4位:話を聞かない……8.4%/5位:太った……7.9%

「NO」を選んだ人
1位:家事をやらない……26.2%/2位:浪費グセが判明……22.1%/3位:義父母との関係……21.4%/4位:話を聞かない……20.7%/5位:約束を破る……15.9%

「離婚した」を選んだ人
1位:浪費グセが判明……37.0%/2位:借金があった……29.3%/2位:話を聞かない……29.3%/4位:義父母との関係……28.3%/5位:束縛が強い……27.2%

理想の夫、理想の結婚とは?

結婚・出産後も働き続けたい女性にとって、生活を共にするパートナーの存在は重要。では理想の夫、理想の結婚とは、いったい何なのだろう。イメージはたぶん、「家事や育児を積極的にやってくれて、仕事も励まし合えるパートナー」。だが、現実は厳しい。

今回、ウーマンオンライン編集部が全国20代後半~40代の働く女性1000人を対象に調査したところ、「夫の家事にガッカリしたことがある」妻が、全体の6割以上、「育児にガッカリ」も6割を超えるなど、妻の期待に反して夫の家事・育児力が低い様子がうかがえた。

Q.「夫の家事」にガッカリしたことがある?/Q.「夫の育児」にガッカリしたことがある?

夫婦問題研究家の岡野あつこさんは、結婚前に未来の夫が「僕も家事を手伝うよ」と言っても、期待しすぎないほうがいい、と話す。「夫が仕事と家事・育児を両立させるのは、現実には妻以上に難しい。それなのに、最近は『イクメン神話』だけが先行しているようにみえます」

結婚5年目のミキさん(33)は、2歳と1歳の男の子の母親。育休を経て医療関係の事務職に復帰予定だ。育児の負担は感じないが、当たり前のように家事を妻に任せきりな夫には腹が立つ。

「もっとも、夫がヘタに料理してもおいしくないし、包丁さばきも危なっかしい。いいことゼロなんですけど」

一方、「勢いで結婚したのが間違いだった」と、IT企業の派遣社員・リョウコさん(41)。元夫とは29歳のとき、知人の死をきっかけに、「やりたいことは今しておかないと」と交際1カ月で電撃入籍。3年半を共にしたが、毎日がケンカの連続で別れた。

とにかく束縛が強かった元夫。リョウコさんが残業で遅くなっても、家のことをほとんどせず、「本当に仕事?」とイライラ待つだけ。ケータイまで盗み見られ、気持ちがなえた。

「次に結婚するなら、同棲して生活ぶりを観察してから考えたい」

今回の調査で、「生まれ変わっても今の夫がいい?」の質問に、「YES」と答えた女性は、半数以下の43%。彼女たち「円満妻」でさえ、半数以上は「夫の家事にガッカリ」と回答。「NO(別の夫がいい)」の「不仲妻」ではさらに多く、ガッカリが76%に達する。

育児も似た傾向だ。「夫の育児にガッカリ」は円満妻でも51%。不仲妻では3割増しの8割弱にものぼる。

妻の期待値が高すぎるのか。あるいは夫に対する愛情が弱いから不満が強いのか。さらにデータからはもう1つ、不仲妻たちの「結婚前チェック」の甘さも透けて見える。

たとえば、「結婚相手選びで重視したこと」。円満妻の多くは、相手の家事・育児力や金銭感覚に注目するなど、「未来(結婚後)」の生活に目を光らせていた。対する離婚妻や不仲妻は、学歴や年収、大企業の正社員かどうかなど、「今(結婚前)」の条件ばかり重視する傾向にあったのだ。相手の年収は「自分より低くてもいい」も、円満妻では4割近いが、不仲妻では24%と4人に1人未満。

岡野さんはこれに苦言を呈する。

「未婚女性は、『そんなにぜいたくは言っていない』つもり。でも女性自身がそこそこ高学歴、高収入を手に入れた今、“自分よりちょっと上”を求めても、未婚男性にはハードルが高い」

相手に求める年収を見ても、「理想は600万円以上」が約6割で最多、「妥協しても400万円以上」が8割以上と大多数だ。

2013年国税庁「民間給与実態統計調査」で、現在、フルタイムで働く男性の年収の“分布”を見ると、最多層は「年収300万円台」。相手候補の“今”だけを見て、「学歴も年収も」とぜいたくな条件に固執すると、理想の夫はなかなか見つからない。