また今後、事務職は先細りが予測されますから、「必要な能力や仕事」を自分で探せることも重要です。男性の仕事だと思われていた仕事にも目を向けるなど、これまでの先入観やこだわりを捨て、幅広く見ていけば選択の幅も広がります。

派遣やパートの人が同じ職場で正社員登用されることを希望する場合は、正社員の仕事をきちんと見ておいて先回りすると良いでしょう。言われなくても自分で考えて期待に応える仕事ぶりは、必ず評価されます。

ただ、正規雇用と非正規雇用の垣根は低くなってきていますし、能力を蓄積できていれば、派遣であろうとパートであろうと、正社員と同じような条件で契約できる可能性もあります。自分の生き方に合った働き方をする、あるいは自分で働き方を組み立てるということが、これからの時代には必要なことかもしれません。

【正社員登用への心得】

第1条:“正社員像”を徹底リサーチする
第2条:「1.5人前」ののりしろをもつ
第3条:守備範囲を広くもつ
第4条:先入観を捨てる
第5条:先を見越した仕事をする

東洋大学 グローバル・キャリア教育センター副センター長 
小島貴子さん

銀行を出産退職後、専業主婦を経て、埼玉県の職業訓練指導員に。多数の企業で採用・人材育成コンサルタントとして活躍。

向井 渉=撮影