残業がなくてお気軽なパートや派遣もいいけれど、どうせ働くなら、正社員として責任をもって働きたい!そんなあなたのために、正社員に登用されるためのコツをまとめました。(アドバイスしてくれる人:東洋大学 グローバル・キャリア教育センター副センター長 小島貴子さん)

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正社員になりたいなら、まず企業は正社員に何を求めているか、“正社員で雇いたい人物像”を徹底的にリサーチすること。それを探るのに参考になるのが、新聞の求人広告です。企業によっても載せている新聞は異なるので、なぜその新聞に載せているのか、なぜこの職種を正社員で雇用したいと思っているのかなど、会社目線で求人広告を見ていきます。そこでどういう条件を満たしていれば正社員になれるのか読み解き、その条件に自分を合わせることができれば、正社員登用への第一歩を踏み出したといえます。

48%が数年後は「正社員になりたい」
データは「派遣社員WEBアンケート調査」(一般社団法人日本人材派遣協会)より。ちなみに「当面希望する働き方」では、派遣(67%)が正社員(20%)を上回り、しばらくは派遣のままでいたいことがわかる。

企業にとっては、正社員はとてもコストのかかる存在。そんな高コストの人材を採用するにあたっては、相応の能力を発揮してくれそうな人物を選ぶのは言うまでもありません。一人前に働くのは当然で、企業側は1.5人前、あわよくば2人前くらいの仕事ができる人でないと、正社員という地位を与えてはくれないでしょう。

そのためには自分の専門性を主張するだけではなく、未経験の分野にも挑む意欲があり、柔軟に対応できることをアピールしましょう。正社員にこだわる場合は、「会社が求めていることをどれだけできるか」が重要で、柔軟性と守備範囲の広さが大事になってくるからです。

また今後、事務職は先細りが予測されますから、「必要な能力や仕事」を自分で探せることも重要です。男性の仕事だと思われていた仕事にも目を向けるなど、これまでの先入観やこだわりを捨て、幅広く見ていけば選択の幅も広がります。

派遣やパートの人が同じ職場で正社員登用されることを希望する場合は、正社員の仕事をきちんと見ておいて先回りすると良いでしょう。言われなくても自分で考えて期待に応える仕事ぶりは、必ず評価されます。

ただ、正規雇用と非正規雇用の垣根は低くなってきていますし、能力を蓄積できていれば、派遣であろうとパートであろうと、正社員と同じような条件で契約できる可能性もあります。自分の生き方に合った働き方をする、あるいは自分で働き方を組み立てるということが、これからの時代には必要なことかもしれません。

【正社員登用への心得】

第1条:“正社員像”を徹底リサーチする
第2条:「1.5人前」ののりしろをもつ
第3条:守備範囲を広くもつ
第4条:先入観を捨てる
第5条:先を見越した仕事をする

東洋大学 グローバル・キャリア教育センター副センター長 
小島貴子さん

銀行を出産退職後、専業主婦を経て、埼玉県の職業訓練指導員に。多数の企業で採用・人材育成コンサルタントとして活躍。