円高と円安、得するのはどっち?

日経平均株価と為替はなぜ正の相関関係にあるのでしょうか。その理由を探る前に、まずは円安と円高について考えてみたいと思います。

ここでクイズです。

Q1:銀行に預けている普通預金をドルに換えた場合、後々ドルを円に戻すときに得するのは円高? それとも円安?
Q2:海外旅行を予定している場合、得するのは円高? それとも円安?
Q3:日本で作った商品を海外で売る場合、得するのは円高? それとも円安?

いかがでしょうか。3問ともスラスラ答えることができた方も多くいらっしゃるかと思いますが、念のためおさらいです。

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言葉と実際の意味とが混乱しやすい「円安・円高」。為替レートに伴うドルの価値の変動は、グラフで考えるとわかりやすい。

まず、円高とは円の価値が相対的に高くなることです。例えば1ドル=100円を基準に考えると、1ドル=80円になれば、100円で買っていた1ドルの商品が今度は80円で買えることになるため、20円も得することになります。このとき、ドルに対して円の価値が高まったということで、円高と言います。

逆に円安とは円の価値が相対的に安くなることで、例えば1ドル=120円となった場合、1ドルの商品を買うのに120円も出さなければなりません。1ドル=100円のときに比べて20円も多く支払うため、円の価値が下がったということで円安と言います。

以上のことから、ドルの商品を買うなら円高のときが得すると言えます。逆にドルを売るなら、同じドルで多くの円が入ってくる円安の方がお得だということが言えるのです。

このことを踏まえると、クイズの答えは、Q1:円安、Q2:円高、Q3:円安となります。

円高ドル安時はドルの買い時、円安ドル高時はドルの売り時と覚えておくといいでしょう。