子は育つ! 待ったなしの母親たちの取り組み
取材はその後、自主保育から共同保育、赤ちゃん先生プロジェクト、asobi基地、アズママなど様々な保育活動に広がった。取材をしていると別の活動と出会い、ブログに書くと新たなグループからメールが来て、といった具合に、記事にするたびに広がっていった。保育に関して、こんなにたくさんの女性たちが、こんなに多様な活動をしているとはと驚き、新鮮だった。
記事はブログに次々公開していったが、本にできないかと思い、ブログで出版を呼びかけてみたら、唯一、三輪舎という聞いたことない出版社からメールが来た。会ってみると、出版社を起ち上げたばかりの熱い若者が、社会を変えたい想いを熱く語ってきた。いつの間にか彼のところで出すことになってしまい、2014年12月に出版した。ろくに売れやしないのだが不思議といろんな反応はあり、いろんな人と出会った。
そんな出会いの中に、プレジデント社のチームもいた。女性向けのオンラインメディアを起ち上げるというので、じゃあ連載をさせてくれ←イマココ、というのが本記事だ。
育児と社会の問題を考えてきて、「こういうことかな?」という自分なりの結論を本の最終章に書いた。それは、これまでの日本社会は会社中心に組み立てられていたのを、子育てをするコミュニティを中心に組立て直すべきだ、というものだ。あまりにも大ざっぱだが、例えば欧米の一部が少子化を克服できたのは、そういう構造改革をなしえたからだ。
ただ、ここからは途方に暮れることになる。いま書いたことはおそらく、誰も反対しないどころか、誰しも大賛成することのはずだ。だが少子化問題は90年代から言われてきたのに解決しないどころか、事態は悪くなる一方だ。これはいったい、どういうことだ!?