Mary Janes (メリージェーン)
わたしの夫は学生時代にバンドを組んでギターを弾いていた。バンド名は「カバー・ユア・イヤーズ・ノディ、イッツ・ザ・メリージェーン(バカどもは耳をふさげ、メリージェーン参上)」。どうしてこんなに大げさな名前をつけたのか、わたしには一生理解できないと思う。彼らは“メリージェーン”が子供が履く靴のことだなんてまったく知らなかったのだろう。実用的でそっけない1本のストラップが甲の上にかかったスクールシューズ。みんなが履いていたのは、おそらくわたしと同じように、子供靴メーカーのスタートライト社製だったはず。
丸いつま先のメリージェーンを見ると、1985年ごろの幼いウィリアム王子を思い出してしまう。わたしが好きなのは、ポインテッドトゥのメリージェーンを履いている女性の姿。ミュウミュウ、マーク・ジェイコブス、タビサ・シモンズらが、ここ最近とても美しいメリージェーンを出している。ふつうならハイヒールと合わせるようなドレスにも似合うのだ。何でもかんでもハイヒールを合わせるのは愚の骨頂!