マンガは子どもにとって悪影響なのか。出版ジャーナリストの飯田一史氏は「マンガが読解力にもたらす影響については調査によって結果にばらつきがある。しかし決して悪影響とは言えず、何も読まないよりは好きなマンガを読んだほうがいい」という――。
※本稿は、飯田一史『「若者の読解力低下」というウソ』(インターナショナル新書)の一部を再編集したものです。
学力向上に効く読書は「1日30分まで」
どういう読書が学力向上に対して効果的なのかについては教育心理学者・猪原敬介の『読書効果の科学』(京都大学学術出版会)や『科学的根拠が教える子どもの「すごい読書」』(日経BP)にくわしい。
猪原も分析に関わっている東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所の「子どもの生活と学びに関する親子調査」によれば、国語や数学の学力に対してもっとも効果があるのは1日30分くらいまでの読書だ。それ以上読んでも成績は上がらない。
読書が成績と関係するのはおもに「語彙」(広い意味での知識)や「読みの流暢さ」(読みの速さ×内容理解の正確さ)を鍛える、という効果である。
文章を読み慣れていないと、使われている言葉がよくわからないから内容の理解がおぼつかないし、速く読むこともできない。
しかし、簡単なレベルの文章ばかり読んでいても語彙は増えないし、内容を理解しながら読もうという姿勢にもならない。
だから、自分にとってちょっとだけむずかしいとか、知らない単語が含まれているようなレベルの文章(本)が、学力向上という観点からはもっとも効果がある。


