議論が行き詰まったら“インパクトをつける”
会議でなかなか話がまとまらないとき、「では、ここまでの内容を一度整理します」と切り出し、このジェスチャーをしながら「要点は3つあります。1つめは……」とゆっくり語り掛けます。
ピンと伸ばした手のひらはそれだけで緊張感を高める効果があり、聴き手が集中力を取り戻し、思考を整える手助けになります。
また、両手に力を入れて胸の高さのあたりで広げる手の動きも相手の考えをまとめさせ、決断を促す効果があります。ちょうど少し大きめのボウリングの球を持ち上げているようなジェスチャーです。
そうすることで「自分はこれだけの重荷を抱えている、すぐ対処してほしい」という緊急性を伝えるメッセージになります。言葉で急かすのではなく、しぐさによって相手の思考と行動を導くのです。
議論が行き詰まってしまったとき、話がなかなか前に進まないような状況では、インパクトのあるジェスチャーを使って伝えることで、相手に行動を促すきっかけを与えることができます。
言葉としぐさを組み合わせた二重のアプローチを使いこなすことで、相手の心をあなたの思い通りに導くことが可能になるのです。
「うなずき」は拍子抜けするほど効く
「どうしても自分の要求を通したい」――。そんなときに、意外なほど効果を発揮する、あるシンプルなしぐさがあります。
それは、「うなずき」です。あまりにも簡単すぎて、拍子抜けしてしまうかもしれません。でもシンプルだからこそ明快で、相手の無意識に強く影響を与えることができるのです。
まず、うなずきには「肯定」の意味があります。相手に向かってうなずきながら話すと、「私はこの内容に自信を持っている」「これは信頼できる話だ」というメッセージが自然と伝わります。
この感覚は、「ミラーニューロン」という脳神経の働きによるもので、脳の働きを通して、相手の感情にも伝染します。つまり、あなたがうなずくことで、相手もつられてあなたの言葉に重みや信頼性を感じ、「これは価値ある話だ」と受け止めてしまうのです。
この「うなずき」の効果を活用した、相手の同意を自然に引き出す技をご紹介しましょう。相手のしぐさや話す言葉を真似る「ミラーリング」との合わせ技です。
たとえば、あなたが取引先との打ち合わせに臨んでいるとしましょう。まずは本題に入る前の雑談や挨拶の中で、相手の話し方やテンポ、姿勢、ジェスチャーなどをよく観察してください。そして、それらをさりげなく真似します。