仲裁した人が言った名セリフ
その方は、ボトルを投げた男性の言い分を聞いて、こう提案したんです。
「なるほど。あなたの怒りもわかりました。マスターは飲み代を払わなくていいと言っている。でも、グラスを割ってしまいましたよね。ここはどうでしょう、グラス代だけ弁償して帰りませんか」
びっくりですよね。ボトルを投げた男性も、帰るタイミングを失っていたんだと思います。女性の前で格好つけたかったのもあるんでしょう。財布から1万円札を出して、「これで足りるか?」と言うので受け取ると、間に入ってくれた方が「ではお互いこれで文句なしということで」と言ってくれて、カップルは帰っていきました。
双方が納得できる落とし所を見つける
後からその方に深くお礼を言いましたが、「大人ってこういうことができるんだ。これこそが大人だ」と心に刻んで、それ以来いろんな場所でこの話をするようにしています。
人間同士、考え方の違いやちょっとした行き違いでぶつかってしまうことってありますよね。でもたいていの場合、当事者たちは「このトラブル、早く終わらせたい」と思っています。でも意地も見栄もあるから、謝ったり終わらせようと言い出したりできないんです。
そこで間に入って、お互いの言い分を聞いて、どちらの肩も持たず、双方が納得できる落とし所を見つける。それができる人が、世の中でいちばん強い人なんだと、そのとき痛感しました。