保育ママさんに預けるのも手
認証保育所等と並んでチェックしたいのが、市区町村が助成する保育ママ制度(国の制度名は家庭的保育事業、東京都では家庭福祉員という)。
研修を受けた保育ママが、自宅(もしくは専用の保育室)で、主に3歳未満の子どもを預かります(この制度がない市区町村もあります)。1人の保育ママは3人まで預かりますが、補助者が着く場合は2人で5人をみています。
申込み方法・決定方法は自治体によります。直接、自分で保育ママに問い合わせて交渉するところもあれば、市区町村が認可保育園と同様の選考を行うところ、認可保育園が「不承諾」(入園できない)になった人に市区町村が紹介し保育ママが面接して決定するところなど。まずは市区町村の窓口で聞いてみてください。
個人の保育なので、会って話してみて、相性が合うか、信頼できそうか確かめる必要がありますが、家庭的な雰囲気の保育なので、経験したママからは0~1歳児にはむしろいい環境なのでは、という感想も多く聞かれます。
なお、保育ママは、人によって保育時間が短い場合があること、保育ママの体調で預かれないというアクシデントもまれにあることに要注意です。1~2歳で卒業しなければならないのですが、認証保育所等と同様、保育ママのもとで待機している子どもには認可の入園選考で調整指数がつくようになっています。
ベビーホテルは大丈夫?
自治体の助成を受けない純粋な認可外保育施設もあります。高額な保育料をとる高級ベビーホテルもあれば、安かろう悪かろうのところもあり、よく選ぶ必要があります。見学して、特に施設長がしっかりしているかどうかチェックする必要があります。公的な助成をいっさい受けてない保育施設の中にも、いい保育をしているところはあります。
同居や近居の場合、おじいちゃん・おばあちゃんに預かってもらうことも可能です。ただ、毎日のことになると想像以上に負担が大きく、「おばあちゃんが見ると言ったのに、途中でギブアップしてしまった」という話も何度か聞きました。もしも祖父母に預けるのであれば、ファミリーサポートセンターやベビーシッターも利用するなどして、負担の軽減が必要でしょう。
なお、祖父母が面倒を見られるということになると、認可保育園の入園選考で不利になることが心配されます。そのあたりの選考事情も調べておきましょう。
2月に保育園入園のあれこれがわかるイベント(http://www.eqg.org/oyanokai/event.html)が開催されます。こうした場を情報収集の場として活用するのも手です。
1956年、兵庫県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。出版社勤務を経てフリーランスライターに。93年より「保育園を考える親の会」代表(http://www.eqg.org/oyanokai/)。出版社勤務当時は自身も2人の子どもを保育園などに預けて働く。現在は、国や自治体の保育関係の委員、大学講師も務める。著書に『共働き子育て入門』(集英社新書)、『働くママ&パパの子育て110の知恵』(保育園を考える親の会編、医学通信社)ほか多数。