低解約返戻金型終身保険と学資保険は、どこが違う?

学資保険は子どもが生まれていないと原則加入できないものだが、低解約返戻金型の終身保険は、子どもが生まれる前から加入しておくことができる。

また、学資保険は満期になったら満期金を受け取らないといけないが、低解約返戻金型の終身保険は、いつでも解約返戻金が受け取れる。しかも、払込期間終了後は、払込保険料総額を超える解約返戻金が受け取れるし、据え置くと少しずつ増えていく。大学入学のために使わずにすんだ場合は、そのまま解約せずに、子どもが結婚するときの資金に充てたり、もっと先の自分たちの老後の資金にすることもできるのだ。

さらに違うのは、被保険者となっている父親(母親)が死亡したとき。学資保険は、それ以降の保険料の払い込みは不要になり、満期になったら満期金が受け取れるのみだが、低解約返戻金型の終身保険は、加入直後でも死亡保障が受け取れて、以降の保険料の支払いはなくなる。

保険料の払込期間を15年、18年にする

生命保険の予定利率の低下により、学資保険の返戻率は、ここしばらく低い水準だ。最近は気をつけて商品を選ばないと、払込保険料の総額を下回る場合も多い。2013年4月にさらに標準利率が引き下げられ、学資保険や終身保険など貯蓄型の保険の返戻率はさらに低下した。加入する前には自分の年齢でシミュレーションしてもらって比較して選ぼう。

低解約返戻金型の終身保険としては、以前から人気が高い東京海上あんしん生命の「長割り終身」や、AIG富士生命の「E-終身」などがある。

2013年10月に発売されたアクサダイレクト生命保険の低解約返戻金型の終身保険「カチッと終身保険」では、ホームページで教育費を目的にした加入例を出している(1ページ目、図参照)。この例で見ると、月額保険料約1万円を15年間払い込み、払込保険料の総額は約190万円に対し、15年後の解約返戻金は約198万円と約8万円増(返戻率104.1%)。20年後まで据え置くと約209万円まで増え、約19万円増(返戻率109.9%)。解約せずに亡くなった場合の死亡保障は300万円になる。

低解約返戻金型の終身保険に教育費を目的にして加入する場合には、子どもの年齢と合わせて考えて、保険料払込期間を15年や18年にするなど、期間の設定をキチンと決めることがポイント。さらに、無理をしないで払える保険料にしておくことが最大のポイントになる。