子どもをつくりたい動機は純粋か

もっとも、女性の年齢が、出産限界年齢に近付いていれば、話は別ですが……。

そんな時は、男性はデータで物事を示されると納得するという傾向がありますから、いかに高齢期は妊娠確率が減るか、リスクが高いかなどを、統計などを使って説明すれば、分かってくれる話だと思います。

だいたい、夫婦や恋人同士が揉めるのは、相手が自分の都合だけで物事を語っているときなんですね。

子どもが欲しい……というのも、隣の席の子が育休中で、自分は必死でその穴を埋めてあげているのに、それを知らないソイツは毎日フェイスブックで幸せそうな育児日記を見せつけてくるからだとか、同性と張り合う意味で欲しがっている場合もしばしばあったりする。

最近は特にワーキングマザー礼賛の嵐で、働くママがカッコいい、特に、子どもは1人より2人、2人より3人、しかも男女が揃っているのが1番ステイタスが高くてエバれるという風潮がありますから、女性が焦るのもよく分かります。

でも、「子どもが欲しい」動機が、そうした僻み根性や負けず嫌いから発生しているのでは、その意図がご主人に見透かされ、引かれてしまう場合も多々あるのではないでしょうか。

子どもが欲しいのは、あなたと家族になりたいからだとか、あなたと似た子どもが欲しいからだとか、自分本位ではない、説得力のある理由を心の底から言えれば、抵抗するご主人は少ないのではないでしょうか。

佐藤留美
1973年東京生まれ。青山学院大学文学部教育学科卒。出版社、人材関連会社勤務を経て、2005年、企画編集事務所「ブックシェルフ」を設立。20代、30代女性のライフスタイルに詳しく、また、同世代のサラリーマンの生活実感も取材テーマとする。著書に『婚活難民』(小学館101新書)、『なぜ、勉強しても出世できないのか? いま求められる「脱スキル」の仕事術』(ソフトバンク新書)がある。東洋経済オンラインにて「ワーキングマザー・サバイバル」連載中。