「皇室の危機」回避すればおのずと「愛子天皇」に

答えは①にある。一番肝心な「安定的な皇位継承」の確保策を、あえて先送りしている。だからこそ、無理で不自然な逆立ちプランに逃げ込む結果になる。

②③は、安定的な皇位継承につながらないどころか、逆にそれを妨げる結果になる。

目の前に「皇室の危機」がある。その危機を直視し、打開しようとすれば、何よりも「危機の原因」を取り除くことが最優先の課題だろう。

では、その原因は何か。答えはいたってシンプルだ。一夫一婦制で少子化なのに、伝統でもない「男系男子」限定を維持するミスマッチな構造的欠陥が、そのまま放置されていることだ。

ならば、せっかく皇室典範を改正するなら、この欠陥ルールを是正して、女性天皇・女系天皇を可能にすることが「第一優先」でなければならないはずだ。

その欠陥が是正されれば、「直系優先」(皇室典範第2条)の原則が、女性だけ除外するという“ゆがみ”なく、貫徹する。そうすれば、ただちに敬宮殿下が直系の皇嗣=「皇太子」(次代の天皇)になられる。

秋篠宮さまは即位を望んでいない

ところが、今回の全体会議の議論の土台になっている有識者会議報告書(令和3年[2021年])では、欠陥ルールにもとづく今の皇位継承順序を、「ゆるがせ(忽せ)にしてはならない」などと、固定化しようとしている。天皇陛下の次は秋篠宮殿下で、その次は悠仁殿下という順序だ。

しかし、秋篠宮殿下は天皇陛下よりわずか5歳お若いだけ。なので、陛下の次に即位されることは現実的には想定しにくい。ご本人も、高齢になってから即位される意思がないことを、すでに表明されている(朝日新聞デジタル、平成31年[2019年]4月20日配信)。

政府は当事者のお気持ちに関わりなく、“内閣の助言と承認”によって「立皇嗣の礼」(令和2年[2020年]11月8日)という前代未聞のセレモニーを挙行して、あたかも秋篠宮殿下が次代の天皇に確定したかのような印象操作を行った。しかし、これによって、「傍系の皇嗣」という相対的・暫定的なお立場が変更されたわけではない。

秋篠宮殿下はかねて、即位にともなう皇位継承儀礼として欠かせない大嘗祭だいじょうさいのあり方に、踏み込んだ批判をされている(平成30年[2018年]11月22日)。この事実は、ご本人がこの祭儀の当事者になるつもりがないことを、示している。

即位の辞退は事実上、可能と考えられている(皇室典範第3条、園部逸夫氏『皇室法概論』平成14年[2002年])。

平成・令和の大嘗祭への批判は、悠仁殿下が即位される場合にも、暗い影を落としかねない。秋篠宮家における「帝王学」がこれまで不在である事実(江森敬治氏『悠仁さま』令和7年[2025年])とも突き合わせると、悠仁殿下の即位についても、自ら望んでおられるとは考えにくい。

宮邸で過ごす秋篠宮ご一家(2020年11月)
秋篠宮ご一家(2020年11月撮影)(写真=外務省/CC-BY-4.0/Wikimedia Commons