わが子が反抗期を迎えた時、親はどのように関わればいいのか。スクールカウンセラーの普川さんは「問題行動を繰り返していた中学生でも、自ら悪い仲間との縁を切って立ち直った事例がある。大切なのは子どもを変えようとするのではなく、自分で決められるようにサポートすることだ」という。かかわった不登校の8割が自ら動き出した“子どもとの接し方”を聞いた――(後編/全2回)。
男子学生
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違法行為に手を染めた中学生のケース

――公立中学校にはさまざまな生徒がいます。いわゆる不良と呼ばれるような素行不良のお子さんのケースでは、どのように対応されるのでしょうか。

個人情報に配慮し、一部、設定を変えたり、複数の事例をもとにお話しします。家庭との関係がうまくいかず、家出や夜間に外で過ごすことを繰り返していた男子中学生のケースです。

周囲からは、「ちょっと違法的なこと、いわゆる闇バイトに巻き込まれていそうだ」という噂も聞こえてくる、一度家出をすると数日帰ってこないような生徒でした。

親御さんも強い不安を抱え、帰宅した際には「何やっているの?」「もう家から出さないわよ」とつい厳しく叱ってしまう。すると子どもは「うるせえ」と反発し、また家を出てしまう――そうしたやりとりが続いていました。

状況を観察する中で、その子がときどき放課後の保健室に顔を出していることがわかりました。そこで養護教諭と連携し、次に来室したタイミングで、私が自然な形で関われるように考えたのです。

放課後、保健室に来た本人に、たまたま居合わせたふりをして声をかけました。最初は警戒され、「話しかけんな」と拒まれるところからのスタートでしたが、それでも「今日はプリント取りに来たの?」「ご飯とかどうしているの?」といった、ごく日常的なやりとりを続けました。すると少しずつ、「家に帰っていないときは友達のところにいる」「食事はこうしている」といった話を、ぽつりぽつりと話してくれるようになりました。

そこで、「また今度、じっくり話を聞かせてくれる?」と伝え、関係が続いていくきっかけを作っていったのです。