日本でも進む「いい男不足」
実は同じような構造が日本でも確認されています。
成蹊大学の内藤朋枝准教授と昭和女子大学の八代尚宏特命教授の研究によれば、日本でも高学歴女性ほど「条件が釣り合ういい男」を見つけにくくなっているのです(*3)。
その背景には、はっきりとした偏りがあります。
まず、内藤准教授らの分析から、大卒女性の結婚相手を見ると、約76%が大卒男性です。一方で、中卒・高卒男性と結婚している割合はわずか約13%にとどまります。
つまり、大卒女性は「自分より学歴の低い男性」とはあまり結婚しないという傾向がデータではっきり確認されています。
この傾向は、結婚前の段階でも同じです。
未婚女性に「相手の学歴を気にするか」を聞くと、大卒以上の女性では約68%が気にすると回答し、中高・専門短大の女性では約40%と大きな差があります。
さらに決定的なのが、「相手に最低限望む学歴」です。
未婚大卒女性の71%が「相手も大卒以上」を希望しています。一方で、相手が短大・専門卒でもよいと回答した割合は約13%で、中卒・高卒でもよいと回答した割合は約16%でした。
つまり、高学歴女性が「自分と同等以上」という条件を強く求めるという構造が存在しています。
「いい男」が足りなくなるのは当然だった
ここで重要なのは、女性の理想が急に高くなったわけではない、という点です。
むしろ問題は、社会の変化と我々の考えのズレにあります。
かつては男性のほうが高学歴であることが一般的でした。しかし現在は、女性の大学進学率が上昇し、男女差は大きく縮小しています。
その結果、「いい男(=自分以上の条件の男性)」の数が相対的に足りなくなるという現象が起きています。
つまり、「いい男不足」は偶然ではなく、構造的に生まれている問題なのです。
そしてその影響は明確です。高学歴女性ほど、結婚したくないのではなく、「結婚したい相手が見つからない」という状況に直面していると考えられます。