相手が期待通りに動いてくれるフレーズ
「君は仕事が早いね」、この一言が本当に相手の仕事を早くする。
これを、心理学では「ラベリング効果」と呼ぶ。人は、自分に貼られたラベルに沿った行動を取るようになる、という現象だ。
たとえば、ある生徒に「君は数学が得意だね」と言い続けると、その生徒は本当に数学が得意になる。なぜなら、「自分は数学が得意だ」というセルフイメージが形成され、そのイメージに沿った行動(数学の勉強を頑張る)を取るようになるからだ。
人を褒めるときは、「結果」だけでなく、「能力」や「性格」を褒めるのも効果的だ。
「今回のプレゼン、良かったよ」【結果を褒める】
よりも、
「君は、プレゼンがうまいね」【能力を褒める】
のほうが、強力だ。
後者は、「あなたにはその能力がある」というラベルを貼ることになる。そして、相手は、そのラベルに応えようとする。
期待されると、人は期待に応えようとする。
相手の潜在能力を信じ、それを引き出すためにラベリング効果を使ってみてほしい。「君は○○がうまいね」「君は○○が得意だね」と積極的に伝えよう。その言葉が、相手の可能性を開花させる。
「○○さんって△△だよね」と伝えると、人は期待に応えようとする
相手に好感を与える絶妙の「法則」
行動経済学に、「ピーク・エンドの法則」という理論がある。
人は、ある出来事の印象を、「最も感情が動いたとき(ピーク)」と「最後(エンド)」の記憶だけで判断する、というものだ。
つまり、どれだけ途中がグダグダでも、最後さえ良ければ、全体の印象は「良い思い出」として残る。
逆に、どれだけ楽しい時間を過ごしても、最後が最悪だと、すべてが台無しになる。
商談の帰り際、デートの別れ際、飲み会の解散時……。ここで、最高の感謝と笑顔を相手に見せよう。
多くの人は、用件が終わると気が抜けてしまう。エレベーターが閉まる瞬間、スマホを見たり、真顔に戻ったりしていないだろうか? 相手は見ているのだ。閉まりかけた扉の隙間から、あなたの気が抜けた顔を。
最後まで気を抜いてはいけない。姿が見えなくなるまで、深くお辞儀をする。タクシーが見えなくなるまで、手を振り続ける。「今日は本当に楽しかったです!」と、最後に改めて目を見て伝える。
別れ際に一度振り返って会釈するだけで、その日の評価は覆る。
「なんて礼儀正しい人なんだ」「また会いたいな」、その余韻を残すこと。それが、次の再会への予約チケットになる。
「ピーク・エンドの法則」を使うと、あなたの評価は上がる
1973年、東京生まれ。学習院大学卒業後、職を転々としたあと28歳のときに出版社に転職し、編集者としてベストセラーを連発。編集者として企画・編集した本は10年間で1000万部を超える。独立後は8年間にわたりホノルル、サンフランシスコに拠点を移して活動し、現在は本や著者のプロデュース、教育事業に関わっている。著書には、20万部のベストセラー『移動する人はうまくいく』『本を読む人はうまくいく』(共にすばる舎)、『親は100%間違っている』(光文社)、『豊かな人だけが知っていること』(あさ出版)、『誰にも何にも期待しない』(ソシム)、『人生は28歳までに決まる!』(イースト・プレス)など多数。最新情報は各種SNS(X、Instagram、note、YouTubeなど)で配信中。©写真:Portrait by THE PORTRAITS
