天皇皇后の強い意志による愛子さまの同行
愛子内親王は2001年12月1日の生まれであり、東日本大震災が起こったときには、学習院初等科の3年生である。したがって、東日本大震災について、これまで自身の記憶について語ったことはなかった。その年齢であれば当然のことだろう。
すでに愛子内親王は昨年5月に、2024年元日に起こった能登半島地震の被災地、石川県を訪れているわけだが、こちらは直近の出来事であり、愛子内親王にも強い印象を残したはずだ。
その意味では、今回の福島県の被災地訪問は、石川県の被災地訪問とは異なるものと考えられる。
そこで重要なのは、冒頭にも述べたように、今回の被災地訪問に愛子内親王を同行することが、天皇皇后の強い意志にもとづくものだという点である。
公務に込められた今上天皇のメッセージ
最近では、天皇一家で国民の前に姿を現すことが多くなっている。
それは大相撲やWBCの観戦でも見られたが、昨年9月には、戦後80年ということもあり、原爆が投下された長崎を一家で訪れている。平和公園の「原子爆弾落下中心地碑」で供花し、長崎原爆資料館を視察するとともに、被爆者や語り部と懇談した。
戦争被害に対する慰霊の旅は、上皇夫妻にとってのライフワークで、今上天皇夫妻にも受け継がれている。今やそれを愛子内親王に伝えていくことに力が注がれるようになった。そのために、一家でという機会が増えており、そこには、世代を超えての継承を果たさなければならないという今上天皇夫妻の強い思いが込められている。
今回の東日本大震災の被災地訪問は、まさにそれが一つの目的とされたわけである。
そこで重要なのは、天皇夫妻が、愛子内親王への継承を通して、そのことの重要性を国民全体に示していることであり、さらには女性皇族のあり方についても一定のメッセージを発しているように見えることである。