「愛子天皇」を期待する国民との“乖離”
インタビューを読んで思ったのは、高市さんも女性天皇を否定する無理を十分にわかっている、ということだ。「女系天皇反対」は保守派にとって生命線。「女系天皇」につながる「女性天皇」を認めるわけにはいかない。でも、無理があるとわかっているから3度も「女性天皇には反対しない」と言う。
反対はしないが、「女性が皇位を継ぐのは大変」と見立てる。激務をこなしながらのご懐妊、出産は肉体的にも精神的にも大変だと思う、と。石井さんは高市さんに「女性は無理」とされてきた政治の世界で風穴をあけてきたではないか、総理大臣も激務だろう、と迫る。高市さんは確かに総理にも超人的な体力が必要だろうとした上で、こう言った。「それはだいたい想像がつくんですよ。総理には悪いけれども(笑)」。
最後にもう1つ、インタビューでの発言を紹介する。高市さんはこう言った。「女性皇族が結婚後、ご希望なさったなら、ご本人のみ元皇族として特別なご公務に就かれるというような形があればいいと思います」。女性宮家への代案だろうが、わかってないなと思う。
国民は愛子さまに、「結婚後も働きたいなら、どうぞ」と思っているのではない。天皇家に生まれ育ち、行動と姿から立派な品格が伝わってくる。それなのに、「女性」だから天皇になれないのはおかしい。それが「愛子天皇待望論」だ。「結婚後も働いてほしい」とは、次元が違う。
「皇室」の制度がもたない
私は女性、女系天皇を認める以外、皇室という制度はもたないと思っている。
皇室に生まれた女性は生まれた時から「男性でない」という事実に苛まれる。民間から皇室に嫁いだ女性は「男子出産」が強く求められ、果たせなければ「男子出産せず」という事実に苛まれる。愛子さまのお気持ち、雅子さまのお気持ちを拝察申し上げているのではない。「男系男子」とはそういう制度なのだ。そのような制度の組織が、持続可能とは到底思えない。
国会が議論を進めるのは当然だ。それは様々な意見を聞くことが前提だ。愛子天皇待望論を「承知してない」で通すなら、しっぺ返しが待っている。そう思うが、どうだろう。
1961年生まれ。83年、朝日新聞社に入社。宇都宮支局、学芸部を経て、週刊誌「アエラ」の創刊メンバーに。その後、経済部、「週刊朝日」などで記者をし、「週刊朝日」副編集長、「アエラ」編集長代理、書籍編集部長などをつとめる。「週刊朝日」時代に担当したコラムが松本人志著『遺書』『松本』となり、ミリオンセラーになる。2011年4月、いきいき株式会社(現「株式会社ハルメク」)に入社、同年6月から2017年7月まで、50代からの女性のための月刊生活情報誌「いきいき」(現「ハルメク」)編集長。著書に『笑顔の雅子さま 生きづらさを超えて』『美智子さまという奇跡』『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』がある。