“ふだん使わないモノ”の置き場所

さらに2024年1月には寄付オプションも開始。寄付された預かり品は、寺田倉庫の本社近くで開催される天王洲キャナルフェスにおいて、年に1回ミニクラのスタッフ総出で「minikuraバザー」として販売。この際の売り上げはすべて、認定NPO法人全国子ども食堂支援センター・むすびえに寄付している。

2025年に行われた「minikuraバザー」。寄付された品を販売し、売り上げはすべて「子ども食堂」を運営する「むすびえ」に寄贈される。 
Photo by Yusuke Suzuki(USKfoto)
2025年に行われた「minikuraバザー」。寄付された品を販売し、売り上げはすべて「子ども食堂」を運営する「むすびえ」に寄贈される。

モノが多い悩みは現代人につきものだが、必要最小限のモノで暮らせる人はそう多くない。減らすには限界がある。しかし生活コストが上がる中、願ったとおりの広さを確保しづらい人はますます増えている。

日常的に使える面積は狭くなる、あるいは広くする分住居費は割高になるが、ふだん使わないモノも手元に置いておく安心感や、いざ必要になったときにすぐに手にできる利便性を取るのか。あるいは、必要なモノが1日2日待たないと手に入らずコストはかかるが、ふだん使わないモノは宅配型トランクルームに預けてしまい、その分住居費が割安になり管理がラクになる暮らしを手に入れるのか。

住居費と保管料を天秤にかけ、ふだん使わないモノをどこまで家に置く必要性があるのか、考えることが必要な時代になってきている。

阿古 真理(あこ・まり)
生活史研究家

1968年生まれ。兵庫県出身。くらし文化研究所主宰。食のトレンドと生活史、ジェンダー、写真などのジャンルで執筆。著書に『母と娘はなぜ対立するのか』『昭和育ちのおいしい記憶』『昭和の洋食 平成のカフェ飯』『「和食」って何?』(以上、筑摩書房)、『小林カツ代と栗原はるみ』『料理は女の義務ですか』(以上、新潮社)、『パクチーとアジア飯』(中央公論新社)、『なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか』(NHK出版)、『平成・令和食ブーム総ざらい』(集英社インターナショナル)、『料理に対する「ねばならない」を捨てたら、うつの自分を受け入れられた。』(幻冬舎)などがある。