ハードワークとタバコが体の負担に

セツが語る物語に、八雲が魂を吹き込む。そんな再話文学の執筆の勢いはましてゆきます。1899(明治32)年の『霊の日本』、1900年『影』、01年『日本雑記』、02年『骨董』と出版は続きます。執筆は家族が寝静まった夜におこない、夜更けまで続きます。

帝大の講義の支度をし、こなしながら、かつ朝夕のホームスクーリングにも熱を入れながらですから、寝る間もないほどのスケジュールです。体への負担は重くなるばかりでした。大好きなタバコをきらさなかったのも響いたでしょう。体力には自信のある人でしたが、身中に暗い影を帯びていきます。