「どの皇族の家の養子になるか」という問題
国会で皇室典範が改正され、旧宮家から養子をとることが認められたとする。高市首相などの意向では、女性宮家の創設ではなく、そちらのほうに向かっている。
そうなったとき、果たして旧宮家の人間の中から皇族に復帰してもいいとして手が挙がるのかどうかはかなり難しいことでもあり、それについては以前に指摘してきた。
では、そうした人物が現れたときに、どの皇族の家の養子になるのかが問題になってくる。ところが、それについては、これまでほとんど議論されてこなかったように見受けられる。
もちろん、これは皇室典範が改正された上での仮定の話であるわけだが、皇室の家ということでは、現在、7つの家が存在している。
皇族は、大きく分けると「内廷」と「宮家」に分かれる。内廷には、天皇一家と上皇夫妻が含まれる。宮家としては、常陸宮家、秋篠宮家、それに三笠宮家、三笠宮寬仁親王妃家、そして高円宮家が存在する。
このうち、内廷のほうに養子が入るということは、とても考えられない。上皇夫妻の養子になれば、今上天皇と兄弟になってしまう。天皇家に入れば、愛子内親王の兄弟になり、いきなり将来の天皇ということにもなってしまう。これは考えにくい。
となると、養子は宮家のどこかに入ることになるはずだ。
2つの宮家に絞られる選択肢
三笠宮家から考えてみると、そこには、当主として彬子女王がいて、その妹である瑶子女王が含まれる。2人とも独身で、結婚したら皇室を離れる可能性がある。たとえそうはならなくても、独身女性だけで構成される宮家に男性が入ることは考えにくい。
三笠宮家から分かれた三笠宮寬仁親王妃家には、夫を亡くした信子妃だけが属している。信子妃と彬子女王の母子が対立し、話し合いさえしていないことは周知の事実であり、そこに養子が入ったら、問題はさらにこじれるであろう。
高円宮家の場合も、久子妃と承子女王からなるもので、女性ばかりである、しかも、承子女王には結婚して皇室を離れる可能性がある。離れない前の段階でも、女性ばかりの家に男性が養子として入るというのはかなり不自然である。
となると、残されるのは常陸宮家と秋篠宮家のどちらかになる。選択肢はかなり絞られるのだ。
常陸宮家は上皇の弟である正仁親王と華子妃から構成されている。2人の間に子どもはいない。したがって、将来において常陸宮家が断絶することは決定的である。
その点では、常陸宮家に養子が入ることは意味がある。それによって常陸宮家が存続するからである。一般に養子をとる目的は家を存続させていくことにあるわけで、それは常陸宮夫妻にとっても歓迎すべきことになりそうなのだが、そこにも問題がある。