「赤ちゃんは青白く、だらんとしていた」
対する神戸北署は「逮捕は適正だった」と述べ、新たな情報を出した。報道各社の取材に対し、「解剖の結果、生きて生まれ、死亡していた」「死亡時刻は生まれた時刻とほぼ同時刻」と明らかにしたのだ。
勾留期限の2月6日、兵庫県警は殺人容疑で再逮捕した。「頭部から出てきた赤ちゃんの首をつかんだ」ことで首をしめて殺害したと発表。だが、蓮田氏の見解は兵庫県警とは異なった。
蓮田氏は見解文で、女性から聞き取った出産時の状況を以下のように記した(抜粋)。
蓮田氏は、兵庫県警をこう批判した。
「今回の逮捕容疑は私が〓〓さん(※原文は逮捕された女性の実名)から聞いた状況と矛盾していますので、私は取り調べ自体に不信感を持っています。今後、警察には明確な証拠を提出していただくべきだと考えます」
なお、本人は殺人容疑については一貫して否認している。
分娩介助で「首をつかむ」のは一般的
神戸地検が傷害致死罪に「格下げ」して起訴したのは、殺人容疑での再逮捕から3週間後の2月27日。この3週間の間には、もうひとつの動きがあった。それを以下に記す。
2月12日、蓮田氏が神戸地方検察庁を訪ね、意見書を提出した。司法解剖結果と殺人容疑を結びつける根拠は乏しいとして、次のように指摘した。
・死亡から70時間以上経過した遺体の解剖で死亡時刻を特定することは不可能
・頭から生まれてくる赤ちゃんの首の部分を持って引っ張り出す行為は一般的な分娩介助
・肺などの浮遊試験(※)の正確性は疑わしい。死後3日が経過しており、腐敗が始まり内臓にガスが発生していた可能性があるから。
※生きて生まれた場合、赤ちゃんが呼吸したことで肺に空気が入るため、肺を水につけると浮くことを前提とした解剖試験
蓮田氏は意見書とともに、助産師の介助の状況を模型で示した画像を神戸地検に提出した。頭から出てくる赤ちゃんを首を持って引っ張り出すのは、ごく日常的に行われる介助行為であると示す図だ。