スマホは見えているだけで会話の質が下がる
大人の無益なスクリーンタイムは、子どもの対人知性(あらゆる社会的状況、個人的状況において、他者を理解し、適切にふるまい、うまくやりとりをする能力)と健全な発達に及ぼす影響の観点からすると、子ども自身のスクリーンタイムと同程度に心配です。
研究者のブランドン・マクダニエルが「テクノロジーの干渉(テクノフィアランス)」と呼ぶ現象――デバイスが原因で人とのコミュニケーションが中断されることで、誰がデバイスを使っているかは問題ではない――に、社会的に取り組む必要があります。わたしたちはおおむねこの現象に気づいていて、罪悪感を覚えたりもしているのに、みんなオンラインでのやりとりを自制するのが下手なのです。
スマートフォンは、人とのつながりを優先する文化を阻害してきました。顔を合わせての会話の最中に、目に見える場所に携帯電話が置いてあるだけでも、親密さや相手との結びつきや会話の質にネガティブな影響を及ぼします。
スマホがそばにあるとやりとりを楽しめなくなる
エセックス大学のアンドルー・シュビルスキーとネッタ・ワインスタインが、知らない人同士を招いて狭いスペースで会話をしてもらうという実験をしました。会話の糸口になるお題は、「先月あったおもしろい出来事」です。
一部のペアがやりとりをしているあいだには、目に見える場所にスマートフォンが置かれていて、べつの何組かではスマートフォンの代わりに紙のノートが置かれています。すべてのペアである程度のつながりはできましたが、スマートフォンがそばにあったペアのほうが苦労しました。自分たちのあいだにできつつあった関係の質をより低く評価し、会話の相手のことをあまり共感してくれず信用できないと感じたのです。
スマートフォンは、たとえ使わなくても社会的な交流の邪魔になりうることがこの研究によって示されました。個人的に大事に思っていることを話そうとするときに、この影響がとくに大きくなります。
スマートフォンの影響で知らない人同士が笑みを交わす頻度が下がり、全体的に人との直接のやりとりがあまり楽しめなくなるのです。そして、子どもたちが健やかに育ち、学ぶためのカギは、大人がそばにいて積極的に関わることです。それはずっと以前からわかっています。


