最重要条件は「価値観の一致」か?

ところが、このコラムの担当編集者の横田サン(30代既婚)の意見によると、最近は相手の年収より、性格や価値観を重視する人が増えていると言います。

その根拠を探るため、慌ててググってみましたが、確かにその傾向はあるようです。結婚情報誌「ゼクシィ」の「結婚相手に求める条件」(20代~30代女性にアンケート)によると、「条件トップ5」はこんな結果でした。

1位:趣味や金銭感覚など価値観の一致
2位:誠実さや頼りがいなどの性格
2位:あなたへの愛情の深さ
4位:健康状態
5位:年収
※2位は同率

昨今の女性が、男性に求める要素は確かに「価値観」や「性格」のようです。

だが、それもお金とは切っては切り離せないハズです。だって価値観の主要要素は「金銭感覚」となっているし、「性格」だって「頼りがい」なんてキーワードが含まれています。「健康」でなければ、お金も稼げません。

どうでしょう。「金銭感覚がまともなニート」や、「頼りがいのあるフリーター」なんて、該当者がすぐに浮かぶでしょうか?

つまり、女はいつの時代も、「友達の彼氏(旦那)に引け目を感じない程度の年収」で、「まともな金銭感覚」を持ち、「頼りがい」のある男性を求めているということ。

翻って、普通の女は、自分が旦那並(もしくはそれ以上)にガリガリ稼ぎ、「頼りがい」や「金銭感覚」を発揮して、一家をリードしていこうなんて気は、さらさらありません。

中には、そういう女性もいるにはいますが、そういった「女の半径5メートル」問題から突き抜けたような、先進的なリーダータイプの女性など、ごく一握り。

統計に乗ってもこない程のマイノリティだということです。

よって、男性は「僕の彼女は質素だから大丈夫」だとか「最近の子は贅沢を望まない」なんてタカを括らないほうがいい。腹の底では「せめて人並みの暮らしはさせてくれるんだろうな」と、あなたの今後を値踏みしているだけかもしれません。

佐藤留美
1973年東京生まれ。青山学院大学文学部教育学科卒。出版社、人材関連会社勤務を経て、2005年、企画編集事務所「ブックシェルフ」を設立。20代、30代女性のライフスタイルに詳しく、また、同世代のサラリーマンの生活実感も取材テーマとする。著書に『婚活難民』(小学館101新書)、『なぜ、勉強しても出世できないのか? いま求められる「脱スキル」の仕事術』(ソフトバンク新書)がある。東洋経済オンラインにて「ワーキングマザー・サバイバル」連載中。