できる子の解答用紙には「思考の形跡」がある

「このような問題」を解くときに必要になるのが、問題文を読み解く力だ。問題文を読みながら、「今分かっていることは何?」「聞かれていることは何?」「あと何が分かれば解けそう?」といった感じで、自問自答しながら読む習慣をつけることがポイント。

そのときに、頭の中だけで情報を整理するのではなく、数字をメモ書きしたり、線分図や面積図を書いたりといった手作業することがとても大事になる。ところが、この手作業を億劫がる子が多い。そういう子の解答用紙を見ると、筆算の跡だけで、思考の形跡がまったく見当たらない。つまり、自分の頭と手を使って考えていないということだ。

子供たちの解答用紙を見ると、同じ不正解でも、「この子は、今はまだ知識の埋め合わせができていないけれど、今後は成績が上がっていきそうだな」と期待感が持てる子と、「このままのやり方では、かなりマズいことになるぞ」と危機感を抱く子がいる。

両者の違いは何かというと、ちゃんと自分の頭と手を使って考えた形跡があるかどうか。前者の場合、自分で考えた形跡はあるけれど、今はまだ知識が欠落していたり、整理ができていなかったりするだけで、今後、演習問題に取り組んでいるうちに、徐々に力がついてくることが予想できる。だが、後者の場合は、「アタフタ学習」になってしまっている可能性が非常に高い。

塾の宿題と格闘しているうちに「アタフタ学習」に

「アタフタ学習」とは、大量の塾の宿題に毎日対応しているうちに、「急いで解かなきゃ」「とにかく終わらせなきゃ」と、常にアタフタした状態で勉強をするようになった状態をいう。そういう子はテストでも、「早く解かなければ、最後までたどり着けないかもしれない」と思い込み、問題文をよく読まずに、塾で習った(ような)問題が出たら、「あ、これはあの公式に当てはめればいいんだ」と、自分で考えることなく、答えを出そうとする。

目覚まし時計
写真=iStock.com/Andrii Sedykh
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もしくは、「なんとなくこれって気がする」と適当にエイヤッと答えを書いてみる。そういう子に、「なぜこの答えだと思ったの?」「どうやって答えを出してみたの?」と聞くと、ほとんどの子が答えられない。