「早く宿題をやりなさい!」が「イヤイヤ学習」を招く
では、なぜ多くの子供たちが「アタフタ学習」に陥ってしまっているのだろうか? これはまわりの影響がとても大きい。特に親に毎日「早く宿題をやりなさい!」「さっさと宿題を終わらせなさい」と言われ続けた子に、その傾向が出やすい。そして、そういう子はかなりの割合で「イヤイヤ学習」に陥っている。こうなってしまうと、なかなか成績は上がっていかない。
わが子の成績を上げたいと望むのなら、親は子供が気持ちよく勉強できるように、努力をしてほしい。「中学受験に挑戦するのだから、毎日勉強するのが当たり前」と思わず、「遊びたい盛りの小学生なのに、高い目標に向かって、毎日頑張って勉強して本当にえらいね」と褒めてあげてほしい。問題文をろくに読まず急いで答えを出そうとしていたら、問題文に興味が向かうような声かけをしてあげてほしい。
子供の勉強に付き添うときは、ちゃんと勉強しているかどうかを監視するのではなく、まずは問題文を音読させて、「問題文を読んでみて、いま分かっていることは何?」と聞いてみる。ちゃんと答えられたら「そうだよね。よく分かったね」と褒めてあげる。次に「じゃあ、この問題は何を求めるの?」と聞いて、子供に答えさせる。そうやってこまめに褒めながら、丁寧に向き合ってあげると、子供は一つひとつの問題文に興味が向くようになる。
4、5年生のうちはたくさん間違っていい
このときに間違いを否定してはいけない。親が正しさを求めすぎると、子供は間違うことを怖がるようになる。長年、中学受験の指導に携わってきて感じるのは、近頃の子供たちは失敗を極度に恐れる傾向があることだ。これは日頃から身近な存在である親からダメ出しをされ続けているからではないかと考える。
そういう子は親の顔色ばかりを伺い、自分の考えに、自分の答えに自信が持てない。だが、中学受験に挑戦するのは子供本人であって、実際の入試で親が横に付くことはできない。自分の答えに自信が持てるようにするには、「自分で考えて解けた」という経験をたくさんさせる必要がある。
だから、4、5年生のうちはたくさんの間違いを経験させてほしい。そのとき、できなかったことを指摘するのではなく、なぜそのように考えたのか聞いてみる。そして、もう一度やらせてみると、「あれ? 確かにこのやり方では解けないな。ということは、別のあのやり方で解けばよかったのか!」と自分で気づけるようになる。そうすれば、自分の経験として、頭に残りやすくなる。
「失敗は成功のもと」というように、失敗を経験してみなければ身につかないことがある。そうやって、4、5年生のときに自分で考える習慣を身につけておくと、6年生になってさまざまなタイプの問題が出たときに、応用が利くようになる。


