自分が風邪をひいたときも休みやすい

日本と違い、残業を前提とせずに仕事のスケジュールを組んでいるので、不測の事態が起きても対処する余裕があるのだろう。同僚が余分に働いた分は、別の日に勤務時間を減らすなどして対応する。子どもが風邪をひいたときに限らず、自身が風邪をひいたときも休みは取りやすい(その場合は、2日目から疾病給付が受給できる。この場合も有給休暇を消費する必要はない)。

佐藤吉宗『子育ても仕事もうまくいく 無理しすぎないスウェーデン人』(日経BP)
佐藤吉宗『子育ても仕事もうまくいく 無理しすぎないスウェーデン人』(日経BP)

ちなみに、私にもどうしても休めない、休みたくない状況もある。例えば、私の勤務していたAIコンサル企業は他の企業の従業員向けにAIに関する集中講座を英語で提供している。普段は銀行で仕事をしていた私も、講師として駆り出されることが頻繁にあった。オンライン講座なので在宅でも講師の仕事はできるが、その日は2時間ほとんど休みなくしゃべらなければならないので、子どもの面倒を見ながら仕事する(ヴォッバする)のは無理だ。

他の企業を相手にした仕事なので、当日になってキャンセルということは極力避けたい。だから、講師の仕事がある日に子どもが風邪をひいたら、パートナーが仕事を休むことをあらかじめ決めている。

「休みにくい時期」は夫婦で事前に調整

また、醸造技術者として働く私のパートナーにも仕込み業務が集中する繁忙期があり、そのときには急に休むことを極力避けたい。だから、その時期は私が休みを取って子どもの面倒を見る。このように、子どもが風邪をひいたときはどちらが休みを取るかを夫婦間であらかじめ決めている家庭も多いだろう。

私の銀行のある同僚はGoogleカレンダーで自分の日程を管理しているが、それとは別にパートナーと共有するカレンダーも用意し、パートナーに伝えておきたい大事な日程(出張や早朝出勤)や、家族共通のイベント(サッカークラブへの子どもの送り迎えなど)を書き込んで、夫婦間の時間のやりくりに役立てている。