「人生は楽しい」と伝えよう
しかし、この逆のことをしたらどうなるでしょうか。
親御さんが自分を大切にするようになったとき――子どもは自然と、「人生って、楽しんでいいものなんだ」「人と関わるって、素敵なことかもしれない」と感じるようになります。
新しいことに挑戦すること、自分の好きなことをすることが、「幸せにつながる」ということを、理屈ではなく肌感覚で感じられるようになるのです。
たとえば、これまで僕が関わってきたクライアントさんの中には、
・仕事の役職を降りて、心に余裕を取り戻した方
・思い切って仕事を辞め、新たな環境に踏み出した方
・逆に、一度辞めた仕事を「やっぱり私は働きたい」と思って再び始めた方
など、さまざまな道を選ばれた方がいらっしゃいました。
大切なのは、「自分は、本当はどうしたいのか」という問いに向き合い、それに沿って行動することです。その姿を見て、お子さんもまた「自分はどうしたいのか?」と考え、社会や人間関係とつながるようになっていくのです。
自分を大切にするとはどういうことか
日常の中でも、小さな「自分を大切にする行動」は可能です。
たとえば、毎日家族のために食事を頑張って作っているけれど、正直それが大変に感じることもある。そんな時は、思い切ってテイクアウトを利用する日を作ってみたり、メニューを少しシンプルにしてみたり。あるいは、「今日は自分の好きなおかずを作ってみよう」と、自分のための一品を用意するのも素敵な選択です。
自分に優しい言葉をかけてあげることも有効です。まずは今日の自分をねぎらってあげましょう。
親御さんはお子さんのことを考えて一生懸命になんとかしようとしたり、ときにやきもきしたり、生活のために仕事を頑張っていたりしますよね。
そうした自分に「今日もお疲れさま」「本当によく頑張っているよね」「ゆっくり休んでね」とねぎらいの言葉をかけてあげてみてほしいのです。自分の頭を撫でながら言うのもいいですし、お風呂に入りながら腕をさすりながら言うのもいいでしょう。自分で自分のことを抱きしめてあげながら言うのもおすすめです。
心地いいな。うれしいな。ほっとするな。そんな感覚を確かめながら自分に合う方法を探してみてください。
仮に子どもから言ってもらえなくても、パートナーから言ってもらえなくても、あなたが頑張っていることには変わりない。だとしたら、ねぎらいの言葉を自分で自分にかけてあげる。それだけでも心が緩んで涙が溢れてきたり、力を抜くことができます。


