落ち込んだ時にそばにいてほしいのも同性の友人
本書の第2章で「異性の友達の数は減っているが、同性の友達の数は減っていない」というデータをご紹介しました。それに関連して、「異性の友達より、同性の友達が大事」という傾向も明確に表れています。
「同性の友人といる方が楽しい」と答える人が増え、逆に、30年前は35.4%を占めていた「異性の友人といる方が楽しい」という回答は11.7%にまで減少しています。
同じく第2章で紹介した「落ち込んだ時、一番そばにいてほしい相手」も、「同性の一番の友達」を選ぶ人が36.0%→55.6%に、以前は55.9%だった「異性の一番の友達」は16.0%まで減っています。恋愛の存在感が相対的に下がる一方で、同性の友人との関係がより大切にされる傾向が見て取れます。
「異性と同性どちらの目を意識するか」という設問にも変化が表れています。
恋愛至上主義時代の30年前は7対3で異性の目を意識していたのが、現在では「異性」51.5%、「同性」48.5%とほぼ拮抗。特に「恋愛離れ」が進んでいる女性では、「同性の目を意識する」との回答が46.3%→67.1%にまで上昇しています。
異性関係が築きづらい時代の若者たち
「自分にとって居心地のいい組み合わせ」も、同性同士にシフトしています。1994年は「異性との二人」が38.1%、「男女二人ずつ」が3割弱で、異性を含む組み合わせを選んだ人が全体の約75%を占めていました。
しかし2024年の調査では、「同性同士の二人」が64.8%と、当時の25.5%から約2.5倍に増加。3人に2人が「同性同士だけの方が居心地がいい」と感じているのです。
これらの変化については、同性との関係がより心地よくなっている以上に「異性と気の置けない関係を築きづらくなっている」と読む方が自然かもしれません。なぜかというと、今の若者は「コンプラ時代」を生きているからです。
「コンプライアンス(法令遵守)」という言葉自体は1990年代後半に日本に導入され、2000年代後半には一般にも浸透しました。当初は企業の不祥事や偽装問題などの場面で使われていましたが、2010年代に入ると、セクハラやパワハラといったハラスメントの文脈でも広く用いられるようになりました。
生活総研の若者研究チームの一員である伊藤耕太は関西の大学で講座を持っていますが、「教えている大学でも、セクハラを始めアルハラ、アカハラ防止などの啓発が進み、学生同士の関係でも一定の緊張感が求められるようになってきている」ようです。





