不登校の「こじれ」

不登校が始まると、親は焦ります。多くの親は、長期にわたる無理の蓄積に気づいてないので、「急に不登校になった」と感じます。「我が家の子育ては、普通にやれていたと思っていたのに、突如、ダメ出しを受けてしまった」と思う親も多く、「何で行かないの!」と子を責めてしまったりします。

でも子どもとしても、なぜなのか分かりません。心身が拒否反応を起こしているので、「お腹が痛いから」とか「何となく無理」としか言いようがありません。自分でも「学校は行くべきところ」とは分かっているのに、学校に行けない自分が情けなくなります。自分に自信を失い、自己肯定感が下がっていきます。その上に親からのプレッシャーや叱咤が加わるので、どんどん自己否定的になります。

要するに、「不登校→親の焦りと子の自己否定→不登校悪化」という悪循環が回り始めます。これが不登校における「こじれ」です。

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写真=iStock.com/Mikhail Artamonov
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不登校になって親が味方でなくなった

このように、不登校は不登校自体よりも、二次的にこじれることで回復しにくくなります。ある子が次のように話してくれたことがあります。以下の文章そのままをスラスラと語ったわけではないですが、ボソボソと何回かに分けて話したことに言葉を補ってまとめると、次のような内容となります。

「僕は勉強もあまりできないし、部活でもレギュラーになれない。これといって優れたところはない。けど、お母さんは僕の味方だった。学校で嫌な事があっても、家に帰ればお母さんがいた。僕にとって家は味方がいて安心できる場所だった。

けど、不登校になって、お母さんもお父さんも味方でなくなった。学校へ行けない僕をすごくきつい目で見るようになった。学校に行けないことはとても苦しいけど、それを分かってもらえないのがつらい。これまで僕は親に愛されていると思っていた。

けど違っていた。僕が勉強や部活を頑張るとか、要するに親の期待を満たすから愛されていたんだ。僕そのものが愛されていたんじゃない。愛される条件を満たさなくなった僕は要らない子なんだ」

ほとんどの子どもは親を味方だと思って生きています。ですが、不登校になった途端、家の中に味方はいなくなります。彼のように自分の気持ちを適切に表現できる子は滅多にいないのですが、不登校の子の多くは彼と似たような気持なのだと思います。