「お母さんが僕のせいで落ち込んでいる」

学校に行けない理由はよくわからなくても、子どもたちは何も感じていないわけではなく、自身の気持ちを結構言葉にしてくれます。子どもたちがよく教えてくれる言葉を以下に列挙してみます。

「朝起きて1階に降りると、お母さんが僕の顔を覗き込む。今日こそは行くんじゃないかと期待している。けど無理だと分かるとお母さんがため息をつく。それを見るのがつらい」
「お母さんもお父さんもイライラして、夫婦ケンカが増えた。私のせいだ」、「お母さんが僕のせいで落ち込んでいる。悪いなと思うけどどうしようもない」
「お前のせいだってお母さんがお父さんに怒られて泣いている」
「あんたの育て方が悪いって、お母さんがおばあちゃんに嫌味を言われているのが申し訳ない」
「お兄ちゃんと比べられる。それが嫌だ」
「最近お父さんが、腫れ物に触るような言葉遣いをするのがイラっとする」、「お母さんが好きだった趣味を辞めた。不登校の子がいるのに何しているの? って思ったのかもしれない」

などです。彼らは家族の言動を実によく見ています。

両親が喧嘩している間、ベッドに座って泣いている男の子
写真=iStock.com/Kiwis
※写真はイメージです

急に学校へ行けなくなった

親や教師などの大人から見ると、不登校はある時ふと始まったと感じられやすいです。「2学期から行かなくなりました。どうしてなんでしょうか?」とか「不登校が多いのは聞いてましたけど、どうしてうちの子が不登校になったんでしょうか?」などと言われます。突然の不登校ではなく、行きしぶりの時期がある子もいますが、原因はよく分からないまま、親になだめられて何とか登校する時期の後に、ついには行けなくなります。

一方、本人に話を聞くと、「不登校が始まる直前まで元気だった」と答える子は少ないです。ほとんどの子は「頑張って行ってたけど」と言います。つまり、不登校の多くは、急に始まったように見えても、何らかの無理が長期に累積し、ある時限界を超えて不登校が始まるのです。無理が蓄積しつつある時期も、子どもは我慢しているので、多くの大人は「登校しているから大丈夫」と思っています。