親が意識したい「肯定的な注目」

――発達特性がある子を育てていると、成長を促そうと頑張りすぎてしまう親もいると思います。親がダウンしないコツも教えていただきたいです。

西村佑美『最新の医学・心理学・発達支援にもとづいた子育て法 発達特性に悩んだらはじめに読む本』(Gakken)
西村佑美『最新の医学・心理学・発達支援にもとづいた子育て法 発達特性に悩んだらはじめに読む本』(Gakken)

今の時代に合わせて、考え方をアップデートすることです。これからは「学歴より新しい発想ができる」「好きなことをとことん追求して頑張れる」といった人が求められると思っています。考え方をアップデートすることで「人と違うところがあっても良い」と心の余裕ができますよ。

また、子どもの性格ではなく「行動」を常に観察して、それを肯定的に見て実況中継する「肯定的な注目」も実践してほしいです。これは発達支援の専門家も行うテクニックです。

例えば「この子は普通と違う、困った子だ」というふうに見ると、肯定的に子どものことを見られません。例えば、おもちゃをたくさん出して遊んでいると「また散らかしている」と思うでしょう。

しかし「おもちゃをたくさん広げて、ジオラマのようにして遊んでいるね」と実況中継すると、「うちの子はダイナミックに遊ぶんだな!」という見方ができるようになります。

こうした見方は親の気持ち一つでできるので、ぜひ肯定的に子どもの行動を見て、お子さんの新しい側面を発見できるよう少しでも心がけてみてください。