“普通の子にはない可能性”に目を向ける

――今後、仕事の大半がAIに代替されると言われています。発達特性のある人は、その特性をどう活かせばよいのでしょうか。

AIの普及により、特にこの数年間で価値観が大きく変化していると多くの方が実感しているのではないでしょうか。しかし、必要なスキル・能力・価値観がガラっと変わっていく時代なのに、親も学校の先生もその変化に追いつけていないようにも感じます。

自分が受けてきた教育や“普通という概念”にとらわれすぎると、自分の子が普通ではないことに恐怖や焦りを覚えると思うのですが、その考え方をアップデートしていただきたいです。これからの時代は「普通じゃないこと」こそが強みになると思っていますので。たとえば「10人中1人~2人しか考えられない発想」がうちの子にはできるのだと、ポジティブに考えてほしいと思います。もしその発想が3つできたら、100人や1000人に1人の発想力につながるかもしれない……。

優秀な学校に入って卒業して、大企業に就職すれば人生安泰という時代が終わる……と、いろいろな方がおっしゃっていますよね。何らかの発達特性があると、たしかに「普通の子」と比べて子育てで苦労することは沢山あると思います。ですが「うちの子はなかなか育てがいがあるぞ」と少しでもワクワクして子育てをしていただきたいです。

独裁的・許容的な子育てはNG

――子どもの発達特性を活かすために、親はどんなことに気をつけて育児をするべきでしょうか?

お子さんの発達特性を強みにする一番大事なポイントは、社会のルールが守れるように育てることです。自分の好きなことだけを押し通して、わがままばかりが通る状況にしてはいけません。

発達心理学者のバウムリンド博士によると、親御さんの子育てのスタイルは、権威的・独裁的・許容的・関係欠如的の4つに分けることができます。

【図表】バウムリンド博士の「4つの子育てスタイル」
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ザ・昭和な育てられ方をした親は、自分の子どもに対しても厳しくしなければいけないと、独裁的なスタイルになりがちです。しかし、親に怒鳴られ続けると、自信をなくし自己肯定感が低い子になってしまいます。実際にこのような独裁的な接し方は避けたほうが良いということも、研究で明らかになっています。