悪いところではなくできたことに注目する

その後に立ってしまうこともあると思いますが、そんなときには「さっきは上手に座れていたから、もう1回ちゃんと座っているところが見たいな」などと言い、それで座れたら「また座れたね。今日は何回も座れたね」というように「座れた」ことに注目し続けて、その行動を肯定するのです。

「じっと座っている」というのは、当たり前のことに思えるかもしれませんが、その子にとっては大きな一歩なのです。そこをしっかり見ていきましょう。

常に子どもの悪いところばかりに注目して叱りつけるという関わり方をしていると、その行動がより強化されてしまうことがあります。一方で、子どもができたところに注目してほめることによって、その子ができている時間が少しずつのばしていくほうが親も子も毎日の生活がぐんと楽になります。遠回りなようで近道です。

その子ができた点にまわりの大人が注目してほめて、子どものよい行動を伸ばしていくことは、特性のあるなしにかかわらず、すべての子育てにおいて大切です。

人目を気にして怒るくらいなら連れて行かない

さらに、「子どもを怒らなければならない環境を避ける」という視点も大事です。

たとえばスーパーでいつも騒いでしまう子なら、できるならスーパーには連れて行かないとか、連れて行かなければならないときは、あらかじめ「今日はお菓子をひとつだけ買うよ」「この前買ったから今日は買わないよ」などとルールを決めて伝えておくのです。

たいていは、なにもルールを決めずに連れて行き(お母さんたちは忙しいですから、いちいちルールを決める時間がないのもよくわかります)、泣かれたらしかたなくお菓子を買うことも多いと思いますが、事前に話をしておくことで子どもも心の準備がしやすくなります。

ときどき、「まわりの目が気になるから、子どもを怒る」というケースも見られますが(私もやりました)、人目を気にして怒るくらいなら、やはり連れて行かないのが望ましいかもしれません。

親は子どもの成長をあせりすぎずに。発達に特性のある子どもは成長がゆっくりであることもありますが、その子なりのペースで成長していきます。

とくに、多動性や衝動性は、成長とともに落ち着いてくることもあります。小学校高学年をすぎるころから、この傾向が著しく軽減するケースも見られます。

「怒らない」「あせらない」を意識しながら、その子のペースで少しずつ成長していく様子を温かく見守る。そのような姿勢を忘れないでください。