散らかしたくて散らかしているのではない

発達ユニークな子のなかには、優先順位をつけるのが苦手な子がいます。

その結果、片づけや整理整頓ができず、いつも部屋のなかがぐちゃぐちゃで、どこになにがあるのかわからなくなってしまうことがあります。

「こんなにいっぱい片づけなきゃいけないものがある」と感じると、「どこから手をつけていいかわからない」と混乱して、手が止まってしまうのです。

とくに、注意が散漫になりやすいADHDの特性を持つ子は、片づけようと思っていてもほかのことに目が向いて、いつの間にかおもちゃで遊んでいたり、マンガを読んでいたりして、なかなか片づけに集中することができません。

また、ASDの特性を持つ子のなかにも、自分のこだわりが強くて、なかなか物を手放せない子がいます。

「服を脱いだらかごに入れようね」からでいい

子どもが苦手なことに挑戦するときは、「ちゃんと」を求めるのではなく、「できることから少しずつやってみよう」という気持ちで寄り添いましょう。

だれだって高いハードルを前にすると、「できない」「無理」「やりたくない」と感じてしまうことってありますよね。

だからこそ、ハードルを少し低くして「ここまでできたらすごいね」と導いていくことで、子どもも「これならできるかも」と一歩を踏み出せるようになります。その結果、「できた」の積み重ねが、子どもの自信を育んでいくのです。

洗濯物をたたむ親子
写真=iStock.com/simon2579
※写真はイメージです

片づけも、1人で完ぺきにではなく、子どもが片づけやすい工夫をしてハードルを下げてみてください。

たとえば、学校で使う物を部屋の1か所にまとめるだけでいいとか、学校の物と遊びの物を分ける、本やマンガをまとめる、大きな物から片づける、いらない物をゴミ箱に捨てる……など、とにかくできそうなことからはじめてみる。

「服を脱いだら、このかごに入れようね」からでもいいですし、「今日はこのゾーンを片づけようか」と部屋をブロックに分けて1か所ずつ片づけていくのもいいでしょう。

また、ここでも子どもが目で見てすぐにわかる視覚支援も効果的です。透明なケースにするだけでも格段に視覚的に片づけが楽になります。

ほかにも、おもちゃを入れるケースには、おもちゃのイラストや写真を貼っておく、文房具の棚には、文房具のイラストや写真を貼っておくなどの工夫をしている人もいます。

引き出しに靴下などのイラストを貼っておけば、どこにしまえばいいかが一目瞭然です。「引き出しから物を出す→使う→引き出しに戻す」という一連の流れをイラストにして、目につく場所に貼っておくのもひとつの方法です。

言葉よりも、視覚で伝えるのです。